ルセフ大統領と労働者党に抗議するデモ隊。サンパウロ・パウリスタ通り
ブラジルのジルマ・ルセフ大統領への弾劾を求めるデモが8月16日ブラジル全土で発生し、主催者発表で190万人が参加した。大規模デモは2015年になって3月15日、4月12日に続いてサンパウロ州警察によると、市中心部のパウリスタ通りに35万人(主催者発表)が集結した。
ロイターによると、ブラジル経済は失業率とインフレ率が上昇し、1990年以降で最悪の不況が懸念されている。2016年のリオデジャネイロオリンピックを前に、ブラジルは深刻な経済危機に陥っており、ルセフ大統領の支持率は1桁台に落ち込み、国民の66%が弾劾を支持している。
デモ隊はブラジル労働党とルラ前大統領も批判すると同時に、国営石油会社ペトロブラスの汚職事件を裁いたセルジオ・モロ連邦判事を讃えた。
「予算を削減されることについては国民全員が聞いた話だ。しかし、削減されるのは、私のように傷を負った人だけだ」。サンパウロ郊外カパオ・レドンドの貧困層地区に住むフランシスコ・モサックさん(65)は、電気代の請求書がこの1年で倍近くになったことに不満を漏らした。
「私は政府への怒りを見せるためにデモにやって来た。しかし政治家も信用できない。どうすれば今の状況が良くなるのかよく分かない」
主催者発表では35万人がサンパウロに集結したが、ブラジルの世論調査会社データフォルファ社によると、午後1時〜午後5時半の間でデモに参加した人数は13万5000人だったという。
データフォルファ社は、参加者数は延べ人数ではなく、1日で参加した人数をカウントしたという。15日には、パウリスタ通りに最大で12万人が集結した。
これまでブラジルで行われたデモと比較すると、4月12日の10万人よりも多く、3月15日の21万人よりも少ない。サンパウロ州当局によると、デモは25の州と連邦直轄地区で発生した。軍警察の発表では、サンパウロ以外で参加者数が最も多かったのはブラジリアの2万5000人で、これは4月12日と同じ数字だ。
「目覚めよ、ブラジル」の大きなフラッグを頭上に掲げながら行進するサンパウロのデモ参加者 AFP PHOTO / MIGUEL SCHINCARIOL (Photo credit should read Miguel Schincariol/AFP/Getty Images)
ルセフ大統領の写真パネルに角を付けて批判するデモ参加者 AFP PHOTO / Douglas MAGNO (Photo credit should read Douglas Magno/AFP/Getty Images)
リオデジャネイロのコパカパーナビーチでデモが行われる中、高級ホテルの屋上で日光浴する客(Photo by Mario Tama/Getty Images)
この記事はブラジルポストに掲載されたものを翻訳しました。
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