アメリカ連邦政府の気象当局は、2015年のエルニーニョ現象がこの時期としてはこれまでに2番目に強いものであり、過去65年で最も大きな気象変化を引き起こす可能性があると発表した。
エルニーニョ現象は太平洋の赤道付近の海面温度が上昇する現象で、世界中の気候に影響を与える。海洋と大気を調査する連邦政府機関・アメリカ海洋大気庁によれば、太平洋の過去3カ月の温度は、これまでにないほど高くなっているという。
NASAジェット推進研究所の気候学者、ビル・パツァート氏は「2015年のエルニーニョ現象は、巨大エルニーニョになる可能性があります」とロサンゼルス・タイムズ紙に語っている。「このまま続けば、洪水や土砂崩れ、騒乱などが起こる可能性があります」
アメリカ海洋大気庁のマイク・ハルパート氏も、現在のエルニーニョは、1972-73年、1982-83年、1997-1998年に発生したスーパーエルニーニョに匹敵する規模になるだろう、と話している。
スーパーエルニーニョは一体どういう影響をもたらすのだろうか? アメリカの公共ラジオ・NPRによれば、強いエルニーニョ現象によってインドやフィリピンが干ばつに見舞われるおそれがあるという。
ロイターによれば、2009年にエルニーニョ現象が起こった時は、インドでは過去40年で最もひどい干ばつが起こって作物が大被害を被り、食料不足に苦しんだ。
現在起こっているエルニーニョ現象は、日本にも影響を与えつつあるようだ。一部で報じられているバナナ不足は、エルニーニョ現象でフィリピンやインドネシアの雨量が減り、収穫量が激減したことが原因だという。
専門家たちによれば、エルニーニョ現象はまだ数が少なく詳しく調査されていないため、どういった気象の変化が起こるのか予測しにくいそうだ。
しかし、エルニーニョ現象は多くの気候変化と関係していることを忘れてはいけないとカリフォルニア州の気象学者マイケル・アンダーソン氏はニューヨーク・タイムズ紙で強調している。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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