これは一体何だ?
ソーシャルメディアで広まったNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星の画像を見て、人々の想像が暴走している。
写真に写っているのは洞窟のような場所に並ぶ石だが、それがカニのモンスターのようだと言う人たちがいるのだ。
もっと近くで見てみよう。
しかし心配はいらない。将来に火星を旅行しても、カニのモンスターに遭遇することはないだろう。
SETI(地球外知的生命体探査)研究所上級研究員のセス・ショスタック氏は、週に1度くらいはこのような画像が送られてくるという。
「似たような画像を私に送ってくる人たちがいます。彼らは大抵とても興奮していて、火星の地表にはあり得ないようなものが見える、それが何かに似ていると言います。大抵の人は何かの動物じゃないかと言いますが、自動車の部品のようなものだと言う人もいます」と、ショスタック氏は話している。
しかし、ショスタック氏は、これは「パレイドリア」と呼ばれる脳の機能だと説明する。パレイドリアとは雲が動物に見える時があるように、脳がある物体を別の物と知覚することだ。
「決して視覚障害ではありません。パレイドリアは、ジャングルで肉食動物を見分けなければいけない時などに力を発揮する、生き残るための能力です」
「風にさらされた岩で埋め尽くされた景色の中で、カニが見えたとしても驚くにはあたりません。セミコロンと丸括弧を並べると、ウィンクをしている顔のように見えるでしょう ;)?」
つまりこれは、同じ画像に写っているこの怪しい物体が、火星に住む雪男ではないということも意味する。
今のところ、残念ながら火星に生命がある証拠は見つかっていない。しかし、地球外生命体を見つけたいなら、ただ画像を眺めるだけではなく、カリフォルニア大学バークレー校の地球外生命を探すプロジェクト「SETI@Home」にアクセスして、宇宙からの狭帯域の電波信号を分析する方法もある。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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