東北の夏の風物詩の一つ「青森ねぶた祭」が8月2日、青森市で開幕した。12月に新作映画が公開される「スター・ウォーズ」を題材にしたねぶたの初登場に注目が集まっていたが、祭り本番では運行されず、展示のみになった。
「スター・ウォーズねぶた」は、8月1日、市内の青い海公園で開かれた前夜祭で初披露された。産経ニュースによると、映画のテーマ音楽が流れる中で、ねぶた4台に明かりがともり、C-3POやヨーダら登場キャラクターが夜空に輝いた。祭り本番では運行されず、青森市の観光施設ワ・ラッセで、最終日の7日まで展示されるという。
■実行委員会「あれはねぶたじゃない」
このねぶたは、スター・ウォーズ」の著作権を管理するディズニー・ジャパンが4月、青森市に打診した。このとき、ディズニー側は、夜間の練り歩きへの参加を希望。河北新報によると、運行団体の協議会は、祭りの実行委員会に8月4日の運行を提案して準備を進めていた。
しかし実行委からは、国の重要無形民俗文化財としての伝統や、ファンの殺到に伴う安全確保との兼ね合いから反対意見が相次いだ。その結果、最終的に前夜祭でのお披露目と、祭り期間中の展示で決着したという。
「伝統を守るのが大前提。あれはねぶたじゃない」。実行委の奈良秀則委員長は言い切る。(中略)年内に新作公開を控えるスター・ウォーズは宣伝色が拭えず「一度PRの場とされれば、祭りの将来に影響しかねない」と警戒する。
別の祭り関係者は、スター・ウォーズねぶたの運行で「ハネト」と呼ばれる踊り手の希望者や沿道の観客が急増すれば、雑踏警備が追いつかなくなる懸念もあった、と打ち明けた。
スター・ウォーズねぶたの制作関係者は「なぜ運行できないのか理解できない。経済効果も見込まれるし、柔軟に対応してほしかった」。
(ねぶた:「スター・ウォーズ」地元反対、運行できず 青森 /青森 - 毎日新聞 2015/08/01 )
■「ラブライブ!」は運航OK
ただし、企業の宣伝につながる「ねぶた」の運航が全てNGかというと、そんなことはない。若者に人気のアニメ「ラブライブ!」のねぶたは1日夜に問題なく運航していた。このため、「スター・ウォーズはダメでラブライブ!がいいのはなぜ?」と、ネット上では実行委の判断に疑問の声も上がっている。
河北新報によると、「ラブライブ!」のねぶたは「前ねぶた」と呼ばれるタイプのもので、メインのねぶたが登場する直前の露払いとして運行する小型のもの。企業やスポンサーの広告に使われることが多く、特に規制はないという。
スター・ウォーズねぶたは、青森ねぶたの最大サイズ(幅約9m、高さ約5m、奥行き約8m)の約半分の大きさ。それが4台もあるため、「前ねぶた」として扱うことはできなかった模様だ。
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