衆議院の安全保障関連法案の審議が、大きな山場を迎えつつある。
与党側は、7月13日の中央公聴会のあと、15日に特別委員会、16日に衆議院本会議での採決も辞さない構えだが、野党は一斉に反発しており、日程は変動する可能性もある。
朝日新聞デジタルによると、安倍晋三首相は11日、「決めるべき時には決める」と述べ、審議を打ち切って採決に踏み切る考えを示唆した。
安倍晋三首相は11日、視察先の宮城県で、安全保障関連法案の採決時期について「対案も出てきたなか、しっかりと議論を進めていただきたい。いずれにしても、決めるべき時には決めるということではないか」と述べた。首相の発言は、法案への国民の理解は深まらないなか、審議を打ち切って採決に踏み切る考えを強くにじませたものだ。
首相は記者団に「(維新の党から)対案が出て1日目ではあったが、すでに90時間を超える審議の積み上げの上に対案が出てきている。相当論点が整理されている上に、両案の比較になった。大変議論はかみ合っていた」と強調した。
(首相「決めるべき時は決める」安保法案審議打ち切り示唆:朝日新聞デジタルより 2015/07/11 19:47)
安全保障関連法案の審議時間は、今週中に目安とされる100時間に達することが予想される。二階俊博総務会長も、15日前後の委員会採決を念頭に置いていることを認めた。
自民党の二階総務会長も12日、「審議時間を見ても、審議の内容を判断しても、今月15日、16日辺りが落ち着き先だろう」と述べました。
(安保法案審議 今週山場に 与野党対立激化も NHKニュースより 2015/07/13 04:04)
一方で維新の党による関連法案の対案と、民主党と維新による領海警備法案が8日に提出されたばかり。維新の松野頼久代表は「対案の審議はまだ1日だけ。性急すぎる」と述べ、15日に採決となった場合に「欠席する可能性は大いにある」と発言した。民主党の岡田克也代表は「強行採決は絶対許されない」と、週内の採決を阻止する構えを示している。
国会周辺では、安全保障関連法案に反対する大規模なデモも予定されている。与党側は「単独強行採決」との批判を避けるため、14日に維新の対案について2回目の協議をする構え。
延長された今国会の会期は9月27日まで。与党は衆議院で可決した法案を参議院が60日以内に採決しない場合、衆議院が3分の2以上の賛成で再び可決して成立させることができる「60日ルール」の適用も視野に入れているとみられる。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー