[ロンドン 5日 ロイター] - ギリシャ国民投票で財政再建策への反対票が優勢となったことで、欧州各国の反欧州連合(EU)派の政治家らは、ユーロを含む欧州統合のプロジェクト全体が「死に瀕した」と声を上げた。
英独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージュ党首は「EUプロジェクトは今、死に向かい始めた。ブリュッセルからの政治的、経済的脅しに直面したギリシャ国民が示した勇気は素晴らしい」と歓声を挙げた。
フランスからフィンランドまで、また地中海沿岸諸国から北海沿岸諸国に至るまで、EU懐疑派はギリシャの民主主義がEUの「寡頭政治」に拒否を示したことを一斉に褒めたたえた。
昨年の欧州議会選挙では、反EU政党が極左、極右併せて25%以上の議席を制し、EU指導者らを驚かせた。
イタリアの反EU政党、北部同盟のマッテオ・サルビーニ党首はツイッターで「ノー、ノー、ノー。失業と移民版の『ソ連』にノーを。労働と人民の尊厳に立脚した新たな欧州にイエスを」と叫んだ。
オランダのポピュリスト政治家、ヘルト・ウィルダース氏は「ギリシャは『ノー』を突き付けたことで、早急にユーロ圏からの離脱に向かうに違いない。早いに越したことはない。今日はユーロ圏崩壊の始まりだ」と述べた。
フランス極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首はギリシャ国民投票の結果が「EUの寡頭政治」に対する勝利だと指摘。欧州諸国はこの機を逃さず結集し、「単一通貨制度の解体」を進めるべきだと訴えた。
英国ではEU残留か離脱かを問う国民投票が控えており、ギリシャがユーロを離脱すれば離脱派が勢い付きそうだ。
離脱キャンペーンに資金援助している英ビジネスマン、リチャード・タイス氏は「ギリシャ危機をめぐる混乱は、欧州各機関の弱みと硬直性を浮き彫りにする悲劇だ」とし、「英国民投票に向けて、EUのプロジェクトやユーロに対する人気が高まるとはとても考えられない」と話した。
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