2020年の東京オリンピックを控え、東京都は環境に優しい交通手段として自転車の利用を進めようとしている。そのために自転車専用道路の整備を計画していると伝えられているが、せっかく導入するなら参考にしたい成功例がある。
それはオランダのアムステルダムに設置された世界初のソーラーパネル付き自転車専用道路、通称「ソーラーロード」だ。
ソーラーロードは2014年11月に設置されたが、発電量は期待をはるかに上回っており、AP通信によると、これまでに一人暮らしの世帯1年分の電力をまかなえるエネルギーを生み出したという。
ソーラーロードの建設に参加している「オランダ応用科学研究機構」のシニアアドバイザー、ステン・デウィット氏によれば、ソーラーロードはこれまでに3000kWhを超える量を発電しており、これは1平方メートルあたり年間70kWh超の発電量になるという。研究のリリースの中でデウィット氏は「これほど早く、これほど多くのエネルギーを生成できるとは思わなかった」と驚きを隠さない。
ソーラーロードは全長約70メートルで、シリコンソーラーパネルが埋め込まれている。表面は厚さ1センチの安全ガラスで保護されているが、ガラスには滑り止め加工が施されているので、自転車だけでなく歩行者も安心して通ることができる。
また、これまでにソーラーロードを自転車で利用した人の数は15万人を超えたという。悪天候や気温の変化が原因で保護ガラスのコーティングがはがれるというハプニングもあったが、現在は修復されて表面に改良が加えられている。
ソーラーロードの研究チームは、将来的にはソーラーロードで生み出したエネルギーを、街灯や交通システム、電気自動車の動力源にしたいと考えている。
ソーラーパネルと安全ガラス
道路にソーラーパネルを埋め込むという取り組みをしているのはオランダだけではない。アメリカではアイダホ州を拠点とするプロジェクト「ソーラーロードウェー」が、道路や駐車場にソーラーパネルを埋め込み、化石エネルギーへの依存度を下げようとしている。
2014年6月には、クラウドファンディングサイト「Indiegogo」でプロジェクトへの出資を募り、目標額100万ドルをはるかに超える225万ドルを集めた。ただ、今のところソーラーロードウェーはまだ研究開発の段階のようだ。
発電のチャンスは、日常生活の意外なところに隠れているのかもしれない。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:湯本牧子、合原弘子/ガリレオ]
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