中国南部にある広西チワン族自治区玉林市で、犬肉を食べる毎年恒例のイベント「犬肉祭」が開催された。今年の犬肉祭では、遠方から訪れた65歳の動物愛護活動家の女性が、100匹の犬を購入し、祭りから救い出した。
AFP通信によると、元教師の楊暁雲さんは、2400キロあまり離れた天津市にある自宅から、犬たちを救うために玉林市を訪れたという。
楊さんは6月21日、約7000人民元(約14万円)を費やして、100匹を購入した。
楊さんは、捨てられた子猫を川から救い出した1995年以来、動物を救う活動を続けている。1999年には、「みんなの家(Common Home for All)」と呼ばれる犬や猫の保護施設をつくった。
楊さんの活動を紹介する2013年の動画によれば、楊さんはこれまでに数百匹の犬や猫を引きとり、自宅を売却して借りたスペースで飼っているという。
楊さんは犬や猫のために食事をつくり、「子どもたち」と呼んでいると、インドのインディア・タイムズは報じた。楊さんのシェルターには現在、犬1500匹と猫200匹近くがいる(以下は、2009年に撮影された動画)。
玉林市の犬肉祭には、引き続き世界中の動物愛護団体の注目が集まっている。犬肉を提供する食堂では21日夜、地元客と愛犬家が衝突し、負傷者が出る騒ぎにもなった。
動物愛護団体「ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル」の中国専門家で、ヒューストン大学ダウンタウン校の准教授でもあるピーター・リー氏によれば、中国には犬の肉を食べる昔からの風習があるというが、玉林市の犬肉祭が始まったのは、ごく最近の2009年のことだ。
夏至にあわせて開催される犬肉祭では、毎年およそ1万匹の犬が殺されている。アメリカのニュースサイト、デイリービーストの記事によると、玉林市に運ばれてくる犬のなかには、首輪をつけたものもいるという。このことは、ペットとして飼われていた犬が盗まれた可能性を示唆している。
以下の写真は、犬肉祭の会場で楊さんを撮影したものだ。
購入した犬に代金を支払う楊さん。6月20日撮影。 (STR/AFP/Getty Images)
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:梅田智世、合原弘子/ガリレオ]
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー
関連記事