先週は衆院・参院ともに18歳選挙権が「全会一致」で可決され、関連するニュースや報道が多く流れていました。でも意外と、こういう意見を目にしなかったので記しておきます。
「どうして、全会一致で決まったの??」
各種の世論調査では、18歳に選挙権を与えることに関しての賛否は拮抗し、大手新聞社の調査でもほぼ真っ二つという結果が出ています。
18歳選挙権」賛否が拮抗...読売世論調査
私自身は18歳選挙権に強く賛成の立場でありますが、
「まだ充分な判断能力がない」
「民法で成人は20歳なのに、整合性が取れない」
「引き下げたところで、若者の投票率が上がるとは思えない」
などの反対理由は論理的で納得できるものです。それなのに、世論を代弁するはずの国会議員はおしなべて「全員賛成」。
ここに、何か違和感を感じませんか?
上記のような半分の国民の意見は、一体だれが代弁してくれるんでしょうか?もっと言えば、絶対に国会議員の中にだって、「実は反対!」という人はいるはずです。
国会には「委員長提案」と言われる議案提出方法のしくみがあり、これは事前に各会派への根回しが行われた上で審議・議決されるため、慣習として「全会一致」で可決されることになっているそうです。
でもこれ、見方を変えれば国民不在の「密室政治」ですよね...。
そもそも今回、18歳選挙権が急展開で成立に至った背景は
・安倍内閣が憲法改正で国民投票を行うための布石
・来年の参院選で与党が有利になると見込んでの高度な戦略
・国際的にイレギュラーな状態に耐えられなくなった
など、諸説あって不明瞭です。もちろんこれらの理由が絡み合って至ったものなんでしょうけど、なんだかこの展開にも違和感を感じないと言えばウソになります。
加えて、世論が拮抗しているにも関わらず、非常に早い展開でのスピード審議、採決、そして全会一致での可決...。
これって
「18歳選挙権が、『なんとなく良い』こと」
だと思われているから成立する展開で、同じことが秘密保護法や集団的自衛権で起こっていたらとんでもないことになるはずです。だって、国民の半分は反対しているんですよ?!
こういう政治のダブルスタンダートに、地方議員の私としてはわかりづらさを感じるんですが、そういう意見があまり出てこないってことは、世間はそうでもないのかなあ。。
ともあれ、個人的には今回の18歳選挙権成立に至るプロセスで、「国民の声を反映する」ということの難しさをまた一つ感じた次第です。(繰り返しになりますが、私は18歳選挙権には賛成の立場です)
国民の声を聴く元気会の「割合投票」も、現在は試行錯誤の段階で
まずは閣法(政府から降りてくる議案)から対象としてやっていたために、今回の法案には間に合いませんでしたけど、こうしたものには積極的に活用されるようにしていきたいですね。
それでは、また明日。
(2015年6月21日おときた駿のブログより転載)