国民の健康を守るために、砂糖に課税してはどうか――厚生労働省の有識者会議は6月9日、たばこ、アルコール、砂糖などへの課税強化を求めることなどを盛り込んだ提言書をまとめた。膨らみ続ける医療費を抑制することが狙い。厚労省は提案を受け、今後具体的な政策の検討を始める。
■なぜ、砂糖に課税?
提言案では、国民の病気を予防するために、健康を損なう可能性があるたばこや酒、砂糖への課税強化を求めた。砂糖に課税するのは、「砂糖の摂り過ぎ」によって引き起こされる糖尿病などの様々な病気を防ぐことが目的。これによって、膨らみ続ける医療費を抑えるとともに、新たな財源の確保につなげるとする。
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FNNニュースによると、現在は、たばこ1本約12円、酒はビールなら350ミリリットル缶であれば77円が課税されているが、砂糖は消費税だけだ。
今回提出された提言書では、具体的な課税方法などには触れていないが、環境税なども含めて「あらゆる財源確保策を検討していくべき」としている。
その他、提言では、風邪など軽症の患者は自己負担を引き上げて頻繁な受診を抑えることや、年齢と所得ばかりでなく、保有する資産も踏まえて自己負担や保険料を見直すことなど、国民の負担のありかたも盛り込んだ。
■砂糖って体に悪いの?
世界保健機関(WH0)が3月に公開したガイドラインによると、1日あたりの糖分の摂取量を、1日に摂取するカロリーの5%未満に抑えることで、虫歯や肥満の予防効果が高まることがわかったとしている。これは、小さじ6杯程度(25グラム)程度の量しかなく、1缶に40グラムの砂糖が含まれるとされる炭酸ジュースでは、1缶で目安を超える計算だ。
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