鳥取市の県立鳥取養護学校の看護師6人全員が一斉辞職したことで、児童生徒の一部が通学できなくなった。6月8日の県議会で報告されたと、朝日新聞デジタルなどが報じた。
同校には小学部から高等部までの児童生徒76人が在籍、このうち33人がたんの吸引などのケアを必要とする。33人のうち保護者が付き添える児童生徒だけが登校しているが、8日時点で12人が登校できなくなっている。
■保護者から「うちの子、殺す気」などと苦情
6人の看護師は、30代から50代の女性で非常勤。毎日新聞によると、5月22日の授業終了後に全員が辞職の意向を伝えた。看護師に対して、特定の保護者から威圧的な言動を繰り返しあったことが理由だという。
看護師の1人は、ケアが数分遅れたことについて、ある保護者から威圧的な言動を繰り返し受けたと訴え、他の5人も不安を募らせていたという。
(鳥取養護学校:看護師全員が一斉に辞職 - 毎日新聞 2014/06/08 21:38)
6月8日の県議会では、辞任した看護師から電話で聞いた話として、福浜隆宏県議が以下のように報告した。
「私は看護師の方に聞いた限りでは、保護者の方にも問題があるように受け取らざるを得ない発言があった。かなり生命にも関わるような非常に厳しい言い方で、毎日のように、特定の看護師さんに対して、繰り返し同じようなこと。点滴の位置が非常に低いとか、一挙手一投足、保護者の方がリードしながら看護師に『何でこんなことするの』とか『うちの子、殺す気』くらいの、そんな勢いで迫っていたと。周りの先生はそれを見るしかない。止めることもしてくれなかったということでした」
学校に対して理不尽な要求やクレームを繰り返すモンスターペアレントと呼ばれる保護者だった可能性もありそうだ。
ただし、看護師の人員不足で、児童生徒のケアが充分にできていなかったことも背景にあり、野坂尚史校長は「本来は8人の看護師が必要。一刻も早く人材を見つけたい」と釈明した。県看護協会などに看護師の派遣を要請しており、近日中に学校でのケアを再開する方針だという。
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