自民党の谷垣禎一幹事長が6月7日、東京都内の街頭演説で、演説中に聴衆から「帰れ」コールを受け、反論する一幕があった。
街頭演説は、拉致問題の啓発のため自民党が毎年、この時期に全国で実施している。2015年は世論調査で反対が賛成を上回っている安全保障関連法案もテーマに設定した。
谷垣氏は、6月4日の衆院憲法審査会で、自民党推薦を含めた憲法学者3人全員が「違憲」と見解を示したことを踏まえ、以下のように述べた。
谷垣幹事長は、安全保障関連法案を巡って、衆議院憲法審査会の参考人質疑で、出席した学識経験者全員が「憲法違反にあたる」という認識を示したことに関連して、「『戦争法案』や『違憲だ』と言う人もいるが、最高裁判所は日本が本当に侵略されるときに最低限必要な自衛権を行使できると言っているし、集団的自衛権も否定していない」と述べ、反論しました。
そのうえで谷垣氏は、「日本を取り巻く環境は大きく変わってきており、同盟国アメリカも数十年前ほどの圧倒的な力を持っていない。北朝鮮はミサイルを作り、日本列島に到達するよう準備を進めており、中国も急速に力をつけ、沖縄県の尖閣諸島の周辺に公船を送り込もうとしている。隙間のない抑止の体系を作り、日本の平和と安全を保つ必要がある」と述べ、法案の今の国会での成立に理解を求めました。
(安保関連法案 谷垣幹事長「隙間ない整備を」 NHKニュースより 2015/06/07 16:43)
毎日新聞によると、谷垣氏は「法案を『戦争法案』などと言ってデマを流す人がいる」と、野党を牽制した。
これに対し、会場には「憲法壊すな」「立憲主義を守れ」などのプラカードが並んだ。朝日新聞デジタルによると、プラカードを掲げた聴衆が「戦争反対」「9条守れ」と声を上げ、次第に「帰れ、帰れ」という声が大きくなった。谷垣氏は「『帰れ』と叫ぶだけで平和は来ない」「反対であっても国会でみなさんの代弁者を通じて、しっかり議論しようじゃありませんか」と述べたという。
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