三重県は5月28日、同県いなべ市で捕獲した野生のクマを、隣接する滋賀県内に放したことを認めて、滋賀県に謝罪した。滋賀県内では女性がクマに襲われて重傷を負っており、三重県が放ったクマの可能性が浮上している。47NEWSなどが報じた。
三重県が放ったのは、体長およそ1.4メートルのオスのツキノワグマ。産経WESTによると、三重県県いなべ市で17日に捕獲した際に「麻酔で眠らせた上で、滋賀県境の山中に放した」と発表。しかし、実際には三重県の放獣担当者は県境を越え、滋賀県多賀町でクマを放したが、滋賀県に連絡していなかった。
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事件が起きたのは、その10日後。多賀町で27日早朝、88歳の女性が自宅近くでクマに襲われ、頬骨を折るなどの重傷を負った。これまで同町内でのクマの目撃情報はほとんどないことから、三重県が放したクマの仕業ではないかと滋賀県はみているという。
三重県で捕獲されたクマを滋賀県内に放した経緯を説明する三重県の吉仲繁樹農林水産部長(左手前)ら=5月28日、滋賀県庁
NHKニュースによると、三重県農林水産部の吉仲繁樹部長が28日、滋賀県庁を訪れて、「クマを滋賀県で放った際にすぐに連絡すべきで対応が遅れ、本当に申し訳ない」と謝罪した。現場でクマを放った際に、職員が「滋賀県との県境に放った」と電話で職場に報告した。職場では当然、三重県側の県境付近に放ったものだと思い込んでいたことから、滋賀県に連絡をしなかったといきさつを説明した。
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これに対し滋賀県琵琶湖環境部の拾井泰彦部長は「極めて遺憾だ」と述べて抗議するとともに、再発防止策の徹底やクマの早急な捕獲を強く求めたという。
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