モデルで俳優の栗原類さん(20)が、5月25日放送のNHK『あさイチ』で、発達障害の一つである「注意欠陥障害(ADD)」であることを告白した。アメリカに住んでいた子供のころに診断されたという。栗原さんは、「早期に診断・治療したことで、自分の弱点や、できること・できないことがわかりやすくなった」と述べ、前向きな姿勢を示した。
発達障害は、忘れ物や失くし物が多かったり人の話を一定時間集中して聞けなかったりする症状がある「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」、人の気持ちを理解することや習慣・予定の変更が苦手な「自閉症スペクトラム障害(ASD)」、特定の分野の学習だけが極端に苦手な「学習障害(LD)」などの総称。ADDはADHDのうち、多動の少ないものの通称だ。
日本では2004年に成立した発達障害者支援法により、早期発見や支援について定められたが、発達障害という概念が知られるようになってきたのはごく最近であるため、周囲からも理解されず、大人になっても生き辛さを抱えている人もいるという。
■「子供の頃、音楽の授業で…」
この日、番組では「どう向き合う? 夫の発達障害」というテーマを特集。栗原さんは、番組で紹介された発達障害の特徴の一つ「変化が苦手」ということについて、「冷蔵庫の中に、お茶がいつもの場所に置かれていなかったりすると、ダメとまでは思わないが気持ち悪くて、いつもの位置に戻してしまう事がある」と紹介。また、「音に対する感覚が過敏」という症状についても、子供の頃の経験を次のように話した。
「アメリカにいた頃は、普通に音楽の授業も受けることができたが、日本では、正しい音程や発生で歌うことよりも、元気に歌うということが良しとされてるようだったので、子供たちが怒鳴るように歌うことに我慢ができなくて、耳をふさいだり、教室から逃げ出したりということがあり、先生に叱られていた。
親が『アメリカにいた頃は、子供たちは正しく歌っていたので、授業を受けられていた』と先生に話したところ、先生からは『楽しく歌う子供を批判するんですか』と逆ギレされ、僕は“歌を楽しむ情緒がない子供”とみなされた。
今も、テレビの大きい音や、人の大きい声は苦手。でも、『音を小さくしても良いですか』とか『大きい声が苦手なので、もう少し小さい声で話してもらえますか』と言えるよになった」。
■「あさイチ出演は、いい機会だった」
栗原さんはこの日、自身のブログも更新。「多くの人に発達障害について知ってもらう凄くいい機会だった」と振り返り、発達障害の人も、共に社会で生活することについて、「皆と合わせるのが当然かもしれないと言うのは学校や集団の中に属していたらそれは避けられない事かもしれません。だけど、その中に理解してくれる人、調整役となってくれる人、そんな人がいたらそれだけで過ごしやすい環境が少しずつ出来ていくのではないのか」と思いを綴った。
さらに、栗原さんは自身が発達障害であること知ったからといって「“笑っちゃいけない”とは思わないでください」とファンに呼びかけた。
「僕が発達障害者であっても、そうでなくても僕は僕だし。
僕の個性が人を笑わせられるほど面白いのであれば
それはコメディ俳優を目指している僕にとっては本望です」。
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