NHKが千葉県松戸市の男性に対し、11年間分の受信料18万4820円の支払いを求めた訴訟の判決で、松戸簡裁(江上宗晴裁判官)は4月15日、「男性が受信契約を締結したものとは認められない」として請求を棄却した。契約締結の立証がないなどと指摘したという。47NEWSなどが報じた。
訴訟の争点は、NHKの担当者が男性宅を訪問した際に作成したとされる、2003年3月10日付の受信契約の有効性だった。男性は、契約書は自分や家族が署名したものではなく、押印もないとして、契約書はNHKの担当者が、自分の承諾なしに勝手に書いたと主張した。
NHKの受信料問題に詳しく、この訴訟でも男性らに協力した政治団体代表の立花孝志氏(47)は、ハフポスト日本版の電話取材に対し、「NHKは契約書を作成してから約6年後になって初めて受信料を請求したことが決め手になったのではないか」と述べた。
問題の発端は、2008年頃にNHKから男性側に未払い分の受信料を支払うよう督促する連絡が届いたことだった。男性は契約をしていないとして支払いを断り、契約書を見せるように依頼。しかし、契約書は契約から5年で廃却するのでないとして、断られたという。
その後も数度にわたってNHK担当者が訪問し、やりとりが続いたため男性は訴訟に踏み切った。NHK側は反訴。訴訟となってようやく、2003年に締結したとされる契約書を提出した。
判決は、「NHKの契約では訪問集金2カ月払いとされているにもかかわらず、その後、約6年間も訪問集金に全く訪れたことがないというには、いかにも不自然で不合理」と指摘。男性がテレビを所有していることを認めた上で、契約書の押印がないことや、署名についても次のように判断した。
判決で江上裁判官は、契約書の署名について「男性や妻の筆跡と異なる」などと指摘。さらに、担当者らが記入を代行したとするNHKの主張には証拠がないとした。
(NHK受信契約締結認めず 松戸簡裁、支払い請求棄却 - 47NEWSより 2015/04/15 21:26)
これに対してNHK広報は、「判決内容をよく読んで対応を検討したい」としているという。
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