山谷えり子領土問題担当相は4月7日、沖縄県の尖閣諸島や島根県の竹島が、戦前から日本の施政権が及んでいたことを示す資料をデータベース化し、夏までにインターネットで公開すると発表した。沖縄・島根両県で収集した過去の行政文書や地元新聞記事などが対象で、夏までに100点以上を公開し、英語版も作成するという。
尖閣・竹島を領土を巡っては、中国や韓国が自らの主張を強めている。政府は、これらのデータを英訳して発信することで、尖閣・竹島が日本固有の領土であることを、海外に向けて積極的にアピールしたい考えだ。
政府は2014年度に島根、沖縄両県の研究者らに協力を依頼して、尖閣・竹島に関する資料収集を開始。委託を受けた研究チームらは、約9カ月かけて約1500点を収集し、報告書を取りまとめた。尖閣諸島については1885〜1972年の沖縄返還まで約500点、竹島については1905〜1954年まで約1000点の資料が集められたという。
尖閣諸島に関する主な資料の中には、尖閣諸島が1895年に沖縄県に編入される以前から、日本人が漁業を行っていたことを示す聞き取り調査の資料や、編入時に政府が現地調査等を行っていたことを示す資料、編入後の土地登記簿などがあった。
また竹島については、1905年の領土編入以降、日本政府による統治が行われていたことを示す調査、規則、取り締まりに関する資料がある。政府による活動ばかりではなく、1905年に竹島でアシカ漁を行うため、民間の業者が島根県に届けた文書なども含まれていた。領土編入以前から日本人による経済活動が行われていたことを示す資料も確認された。
これまで尖閣や竹島の領有権を示す資料は、外務省のホームページなどで一部公開が行われている。しかし、日本の立場に関する正確な理解を国内外に浸透させていくにあたっては、より多くの資料を示して発信していくことが必要だと判断し、政府は資料の収集を開始していた。2017年度は資料の収集場所や対象となる年代を更に広げるという。
山谷氏は記者会見で「事実に基づいて冷静・論理的な発信を行うことが重要だ。資料は、几帳面に日本人が作り続けてきた。暮らしぶりが手に取るようにわかるようなものになっている」と述べた。
なお、尖閣諸島と竹島については、2016年度から中学生が使用する教科書では、学習指導要領解説書の改訂で指導項目とされ、社会科全ての教科書で竹島・尖閣諸島が日本の領土であることを明記されている。
竹島、尖閣諸島に関する記述。学習指導要領解説書の改訂で指導項目とされ、社会科では全ての教科書に記載された(撮影日:2015年04月02日)
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