自民党の三原じゅん子参院議員は4月5日、東洋経済オンラインに寄稿し、なぜ3月16日の参議院予算員会での質問の際に「八紘一宇」という言葉を使ったのかを説明した。世界的な問題に日本が取り組むために、八紘一宇の観念を世界に伝えるべきではないかという。
寄稿で三原氏はまず、「八紘一宇」という言葉の定義について解説。「『世界のすみずみまでも、ひとつの家族のように仲良く暮らしていける国にしていこうではないか』という建国の理念」とした。
さらに世界展開を行い莫大な利益を上げているにもかかわらず、本社機能を税率のより低い国に移すなど、法律の抜け穴を使って税金の支払いを回避する外資企業を例にあげて説明。三原氏はグローバル資本主義の時代には、1国の努力だけで解決できない問題があり、国際的な協調が必要だとしており、そのために、日本の「和」の美徳を世界に伝えるべきだと安倍晋三首相に言いたかったと述べた。
「八紘一宇」は戦前、日本軍のアジア侵略を正当化するためのスローガンとして用いられたこともあり、1945年、GHQから公文書での使用を禁じられている。しかし三原氏は、八紘一宇の言葉が使われた二・二六事件が、当時、農村の貧困問題が原因で起こったとして「人々を救済するスローガンだった」と指摘した。
これに対してネットでは、「素晴らしい考えだ」と賛同する意見も見られるが、「意図する内容を伝えるなら別の言い方があったのではないか」「本来の意味よりも戦時統制のプロパガンダとしてとらえられる危険性が高いのになぜあえて使うのか」「結果的に戦争に結びついた言葉なので、使わない方がいいのではないか」などの意見も出ている。
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