ミス・ユニバースの日本代表に選ばれた宮本エリアナさん(20)に対して、「日本人ではない」と批判が集まっていることについて、海外メディアが差別的と非難している。
宮本さんは、日本生まれの日本育ち。日本人の母とアフリカ系アメリカ人の父を持つ、いわゆる「ハーフ」。ソーシャルメディアでは、宮本さんの外見から日本代表となるにはふさわしくないという批判が集まった。
英紙「インディペンデント」は、長崎でアフリカ系アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた、宮本さんの生い立ちを詳しく紹介。「日本では混血の人のことを“ハーフ”と呼んでいる。日本のソーシャルメディアでは、“ハーフ”を日本代表として選ぶべきなのかで、疑念が生じている」とし、中高年から若年層に至るまで「両親共に日本人であるべき」という考えの人が多いと伝えている。
また、「デイリー・メール」では、日本で多く信じられる「純粋な日本人」という概念について触れ、日本における差別を批判している。
島国の日本では、多くの日本人が人種的な純粋さを信じている。実際には韓国、中国や東南アジア方面から移住し、日本人が形成されたのだが。(中略)
今日の日本では、「神話的な日本人」ではないと思われると、一種のアパルトヘイトのように、差別される。特に家を借りるときに顕著に見られる。
(Miss Japan Ariana Miyamoto hits out at racial abuse | Daily Mail Online 2015/04/01)
ワシントン・ポストは「日本以外の大多数の世界の基準で考えれば、宮本エリアナさんは完全な日本人だ」と書き出しで主張。ハーバード大学で日本を研究しているセオドア・ベストー教授の「日本人は自分の文化や社会に対して、独特のアイデンティティを持ち、外国人にはそこに触れられない、と感じる傾向がある」というコメントを掲載している。
この現象を取り上げたハフポストUS版の記事は、9200のFacebookいいね!、69のコメントが寄せられるなど大きな反響を呼んだ。自らもハーフで『HAFU』というドキュメンタリー映画を制作した西倉めぐみさんのコメントを引き、こう結んでいる。
「宮本さんが今年のミス・ユニバースの日本代表に選ばれたことは「日本人である」という範囲が広がる、大きな一歩だと思います」と西倉めぐみさんは取材に答えている。我々も、まったく同意だ。
(Miss Universe Japan Faces Criticism That She Is Not Japanese Enough 2015/03/25)
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