幾夜大黒堂(いくや・だいこくどう)さんの漫画「境界のないセカイ」の単行本発売が取りやめになり、マンガボックスでの連載も中止された件について、同誌の樹林伸(きばやし・しん)編集長が3月25日に公式声明を出した。
これまで、作者の幾夜さんは「性的マイノリティ(LGBT)からのクレームを恐れた講談社側の意向で発売中止になった」とブログで述べていた。一方、LGBT団体の一つ「レインボー・アクション」は18日に声明を出し、「他の作品と比べて特段の問題があるとは思われません」として、過剰な自主規制をやめるように訴えていた。
ただし、今回の樹林編集長の声明では、単行本が発売中止になった理由については触れず、マンガボックスの連載が中止となったことについて淡々と報告する内容になった。この公式声明はマンガボックスに掲載中の「境界のないセカイ」第15話の末尾に掲載されている。全文は以下の通り。
『境界のないセカイ』の連載中止につきまして
いつもマンガボックスをご愛読いただき、ありがとうございます。
この度、本アプリ掲載作品『境界のないセカイ』を連載中止させていただくことになりました。
本作品を楽しみに読んでいただいていた読者の皆様には大変申し訳ありません。
幾夜先生には、連載の中止をご理解いただき、大変感謝しております。
また、今後、マンガボックスでの新作連載を目指していただけるともおっしゃってくださり、編集部としてはそれがなによりありがたい言葉でした。
幾夜先生の次回作および今後のマンガボックスにご期待ください。
マンガボックス編集長 樹林伸
■講談社「公式見解は出さない」
なお、樹林氏は24日、自身の公式声明が大幅に内容がカットされたものにとなるとした上で、講談社も公式見解を出す予定があるとツイートしていた。
しかし、ハフィントンポスト編集部が25日、講談社の少年マガジン編集部に電話で確認したところ、「講談社としては、この件に関して公式見解を出す予定はない。樹林編集長のツイートは見たが、これは連絡の行き違いで事実ではない」と、公式見解を出すことを否定した。
「単行本が発売中止となった理由について、樹林編集長も講談社も一切説明しないのは、読者に対して不親切なのでは?」と聞いたが、「詳細についての説明は差し控える」との返答だった。
■樹林編集長、Twitterで「作者ブログにあった通りです」
樹林編集長は25日18時ごろに、以下のツイートをして公式コメントを補足した。「マンガボックス」の運営母体であるDeNAと、協賛会社である講談社に配慮した結果、これ以上コメントできないとしている。
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