指揮者の小澤征爾さんが2月27日、NHKの情報番組「あさイチ」に生出演し、指揮棒を使わない理由を明らかにした。ある演奏会の際に自宅に指揮棒を忘れてきたことに気がついたが、指揮棒がないまま指揮を続けても、誰も何も指摘しなかったことが理由だという。
この日、番組で小澤さんは、かつてフィラデルフィア管弦楽団で活躍したユージン・オーマンディさんの使っている指揮棒を盗んだことがあると告白。その理由として、「とても使いやすく見えたから」と話した。オーマンディーさんの使う指揮棒は特製のもので、釣り竿にワインのコルクが刺してあるものだったという。
ユージン・オーマンディさん(Photo by Erich Auerbach/Getty Images)
確かに小澤さんも、かつては同様の指揮棒を使っていたとみられる。
指揮棒を持っている小澤征爾さん 1972年7月30日(Photo by Erich Auerbach/Getty Images)
しかし、ある日ウイーンでの演奏会で、小澤さんは指揮棒を自宅に忘れてしまう。気がついた時には取りに帰る時間はなく、スタッフの用意してくれた指揮棒もしっくりこないため、手だけで指揮をすることにした。
「オーケストラの人がひと言も、(指揮棒のことを)言わない。いいとも悪いとも。ということはみんな見ていないんだなと思って。それでね、それ以来、持ってないの」。
さらに小澤さんは、指揮棒を持つことの大変さについて、次のように話した。
「そこの鉛筆、あなた持ってごらん。力がいるでしょう?
持っていたら、いろいろと考えなきゃいけない。
落としちゃいけないとか、飛んでいったら大変だとか」
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