「天国から帰った少年」として脚光を浴びたアレックス・マラーキーさんが、自身の話が作り話だったことを認めた。
2010年に発売された回顧録「天国から帰った少年」はアメリカでベストセラーとなった。キリスト教を信仰する少年が天国へ旅立ち、そしてこの世へ帰還した経験が詳しく記されている。しかし、共著者の一人がでっち上げであることを認め、この本は書店から撤去された。
「天国から帰った少年」は、アレックスさんと彼の父でキリスト教のセラピスト、ケビン・マラーキーさんの共著。
2004年、アレックスさんが6歳の時、2人は自動車事故で重傷を負った。アレックスさんは2カ月間昏睡状態に陥った。そしてこの本はその昏睡状態の間に、アレックスさんが天国を旅した話を伝えるものだという。
マラーキーは天国を、地獄へ行く「天界の外側にある穴」と描写した。彼はイエス・キリストととの会話や、一時事故のことで彼を非難する悪魔との出会いを詳述した。
しかし1月13日、事故で四肢のまひが残った少年は、全てを取り消した。彼はキリスト教系のブログサイト「Pulpit & Pen」に「ライフウェイと他の販売者、買い主、ヘブンツーリズムのマーケティング担当者への、天国から帰っていなかった少年による公開書簡」というタイトルの書簡を公開した。
「私は死にませんでした。天国へ行かなかったのです」。この公開書簡で、アレックスはそう書いた。
私は天国へ行ったと言いました。そう言えば注目されるだろうと思ったからです。私が天国へ行ったという話をでっちあげた時、私は聖書を一度も読んだことがありませんでした。関わったみなさんは嘘から利益を得たわけで、それは今も続いています。みなさんはもっと十分に聖書を読み込むべきです。聖書には真実を基にしたことしか書かれていません。人間が書いたものに、絶対に確実なことなどないのです。
この本の出版社「ティンダルハウス」は国営ラジオ局「NPR」で、この本と「関連する全ての商品」を絶版にする予定だと話した。
アレックスさんの母親ベスさんは、ケビンさんと離婚した。彼女はキリスト教系の情報サイト「Patheos」でこの本に悩まされたことを告白している。ベスさんはこの本について書いた2014年4月のブログで次のように述べている。
「『天国から帰った少年』がいまだに販売され続けているだけでなく、その内容が多くの人に疑問視されていないのは、理解できませんし、苦痛です」。また、ベスさんは息子がこれまでにその本から金銭的な利益を得たことはないと話した。
「天国から帰った少年」は、現在出版市場で成長中の人気サブジャンル、キリスト教の「ヘブンリーツーリズム」に属する。読者からは広く好意的な評価を受けており、書評サイト「Goodreads」で平均3.9、書店チェーン「バーンズ・アンド・ノーブル」で平均3.9、アマゾンでは平均4.2の星がついている。
アレックス・マラーキーさんは今、10代の若者だ。
2009年、彼は「クリフトファ・ーリーブ麻痺財団」の手術を受ける最初の少年となった。その手術は人工呼吸器なしに呼吸ができるようにするものだ。
(h/t Raw Story)
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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