1月7日、国内の自動車の教習所で撮影したと思われる一枚の写真が、Twitter上で2万件超えてリツイートされるなど大いに拡散した。それは「世界の飲酒運転に対する罰則」と書かれた一枚の紙を撮影したもので、南米のエルサルバドルでは「初犯から銃殺刑」、東欧のブルガリアでは「2度目は銃殺刑」と書かれていた。
どの国の刑罰もユニークだが、中でも最も罰則が厳しいとされたエルサルバドルに注目が集まった。「エルサルバドルの厳しさ圧倒的だよ…」「日本もエルサルバドルくらいすれば、飲酒運転減るとおもうんだけどなあ 」などと話題に上ったが、実は全くのデマ情報だった。
エルサルバドルもブルガリアも、すでに死刑廃止しており、飲酒運転をしたからといって銃殺刑になることはなかったのだ。以下は、それぞれの国の駐日大使館に、ハフィントンポスト日本版が取材をした結果だ。
■駐日エルサルバドル大使館のマルタ・セラヤンディア大使
1月7日にツイッターで広まった画像の記述は事実ではありません。なぜなら、エルサルバドル共和国の法律では、どんな状況下でも死刑は許されていないからです。このような、エルサルバドルに関して日本国民がネガティブな印象を受ける可能性がある虚偽に関しては、くれぐれも無視していただきたく思います。
■駐日ブルガリア大使館のアントアネタ・グリゴロヴァ二等書記官
ブルガリアでは既に死刑制度は廃止されています。その代わり、飲酒運転をした場合罰則として、罰金、もしくは3年以内の懲役が科されます。また、ブルガリアはEU加盟国として、死刑制度がある日本に対して 死刑の廃止を呼びかけています。
今回判明した2カ国以外も、冒頭に取り上げた「世界の飲酒運転に対する罰則」はデマである可能性が高い。「エルサルバドルで飲酒すると銃殺刑」というのはネット上では、これまでも広く出回っていたデマ情報で、日本や海外のサイトにも間違った情報が記述されているが、くれぐれも騙されないように注意してほしい。
以下は、駐日エルサルバドル大使館からハフィントンポスト日本版の高橋浩祐編集長あてに届いた文書だ。
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