ネイティブ・ハワイアンのカラ・カーワさんは、1月初めに行われたハワイ大学の冬の卒業式に出席中、参列者の中にいる母に「卒業証書を受け取る際にガウンを脱ぎたい」とテキストメッセージを送った。息子がガウンの下に何を身につけていたのか知っていた (または知らなかったのか) 母は一抹の不安を感じた。
「さあ、どうかしら。考え直しなさい」 と母は息子に返信した。
カーワさんはリスクについて考えた。そして返信した。「いや、やっぱりやる」
表彰台に上がる順番が回ってくると、カーワさんはガウンとキャップを脱ぎ放った。 大勢の卒業生やその家族に向かって誇らしげに卒業証書を高々と振り上げ、ハワイの伝統的な装いのマロを身に付けて一歩前に踏み出した。
講堂が一気に湧き上がった。23歳の卒業生にはスタンディングオベーションが送られ、通路を歩いて席に戻るまで喝采が鳴り響いた。
「みんなの反応に感動してしばらく圧倒されていました。そして達成感と自分の文化に誇りを感じていました。これだけの観衆から称賛を受けるのは嬉しいですね」 とハフポストUS版に語った。
ハワイ研究学部から2つの学士号を取得したカーワさんは、卒業式のはじめに披露されたオリ (ハワイのチャント) の一環でマロを身に付けていた。マロを表彰台で披露することで、卒業証書を受け取ることができないかもしれない、小さな布1枚の姿を笑われるかもしれないという不安は感じていた。
伝統的なハワイの文化では、裸は必ずしも性的な意味を持っているわけではなく、マロは王族や一般市民にとってもハワイ男性の伝統的な装いだ。
カーワさんはマロを身に付けることで、「ハワイ、マオリ、サモア、トンガなど、どこの出身であっても自分の文化を恥じないこと。自分のルーツを知り、代弁者として継承していくこと! 自分のためだけでなく、家族、先祖、そして未来の世代のために受け継いでいくこと」 を人々に思い出してもらいたかったと述べた。