複雑に絡み合い、絶えず変化している中東の政治情勢は、理解しがたいものに思えるかもしれない。よりよく理解するために、地図やチャートをつくって対立や同盟を図解しようと試みても、混乱が解消されるどころか、結局中東情勢はあまりにも複雑だということが分かるだけ、ということも珍しくない。
しかし、そんな複雑な中東の国や組織の関係を理解するのに役立つ、シンプルで正確なチャートが登場した。
それは、デザインサイト「Information Is Beautiful」の運営者で、『Knowledge is Beautiful』(「情報は美しい」)という本の著者でもあるデイヴィッド・マッキャンドルズ氏が、多様なデータソースを用いて作成した以下のチャートだ。
一見したところ、同盟・敵対関係が入り乱れ、ごちゃごちゃした印象を受けるかもしれないが、このチャートはインタラクティブ機能も備えていて、一つ一つの国や組織のつながりをわかりやすく表示している。また、ソフトウェアを作るUnivers Labs社のプログラマーの協力を得て実現した双方向デザインのおかげで、どの国や組織が協力関係にあり、どの当事者が敵対しているのかがよくわかる仕組みになっている。
チャート中の国や組織を選んで、マウスポインターをのせたり、クリックしたりすると、その国や組織をとりまく関係性を詳しく見ることができる。たとえば、「イスラム国(ISIS)」をクリックすれば、この過激派組織がほぼすべての国や組織と敵対していることがわかる(黒い実線は敵対関係で赤い実線は同盟関係)。
イスラム国とカタールの関係は、「複雑な関係」を意味する黒い破線になっている。カタールは、有志国連合による対イスラム国の空爆に参加している一方で、テロ資金調達のホットスポットになっているとして非難されているためだ。
表示されている関係のいくつかについては議論の余地があるかもしれないが、このチャートは、理解が困難な中東情勢というテーマを整理するための、優れた補助ガイドといえるだろう。ただし、中東情勢は変わりやすいので、政治的なつながりが壊れたり築かれたりするのに応じて、このチャートの内容も変更される可能性はある。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:梅田智世、合原弘子/ガリレオ]
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