中国、防空識別圏の「警告」削除 国際摩擦を懸念か
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中国国防省が尖閣諸島上空を含む東シナ海に設定している防空識別圏で、指示に従わない全ての航空機に「軍当局が防御的緊急措置をとる」とした運用規則を、航空当局が各国向けに通知した航空情報から削除していたことがわかった。外交筋の間では、規則を実際に運用すれば国際的な摩擦を助長しかねないとの中国側の懸念があったとの見方が強い。
国防省は昨年11月に防空識別圏を設けた際、全ての航空機に①中国当局に飛行計画の提出を義務づける②規則や指示に従わない場合は軍当局が防御的緊急措置をとる、などの規則を公表。中国民用航空局も臨時航空情報で同規則を海外の航空関係者に通知した。北京の外交筋によると、中国当局は防御的緊急措置の内容について明らかにしていない。
日米両政府は「飛行の自由を不当に侵害する」と反発して規則に従わない意向を表明したが、航空各社は中国側に飛行計画を提出するなど対応が混乱した。
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