第47回衆議院選挙は12月14日に投票が行われ、即日開票された。自民・公明両党が、法案の再可決や憲法改正の発議に必要な、全体の3分の2の317議席を上回る326議席を獲得。選挙前の324議席を、2議席増やして大勝した。
一方で民主党は、選挙前の64議席を上回る73議席を獲得したが、海江田万里代表が落選する結果となった。
小選挙区の投票率は朝日新聞デジタルなどでは52%前後と推計されており、戦後最低だった前回の59.32%を下回るとみられる。
各党の獲得議席数は次の通り(朝日新聞デジタルより)。
比例では68議席を獲得し、合計では290とした。さらに無所属の1人を追加公認して291議席に。選挙前の293議席から2減との結果に、安倍首相(自民党総裁)は「2年間の安倍政権の信任を受けた」と述べ、アベノミクスの推進を約束した。
さらに安倍首相はテレビ東京の番組で憲法改正を進めるかを問われ、「そういうことですね」と認め、意欲を示した。
公明党は候補を擁立した9の小選挙区全てで勝利。比例も26議席と積み増して計35議席となり、公示前の31議席を上回った。山口那津男代表は記者会見で、同党が連立政権でアベノミクスを進めていくという姿勢に対して、国民の期待があることが議席を伸ばした要因の一つではないかとの考えを示した。
また、消費税の軽減税率についても触れ、「自民・公明両党で導入を目指すことを、共通公約としてはっきりうたった。今後、連立政権の政権合意に盛り込んでいく」と述べた。
一方で安倍首相が進めるとする憲法改正などの議論については、「国会における政党の議席数は、民意の状況とは必ずしも一致しないところがある。幅広い民意を受け止め、謙虚に耳を傾けることが与党には求められる。そういう役割が、公明党にはあると思っている」と述べ、自民党の独走をけん制した。
民主党は小選挙区に立てた公認候補178人のうち約2割にあたる38人が当選。比例では34の計72議席を確保し、公示前の62議席を上回った。しかし、首都圏では苦戦。東京1区の海江田代表が議席を失い、東京18区の菅直人元首相も、小選挙区では敗退するなど、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県では7勝39敗と負けが目立った。
海江田代表はNHKのインタビューに答え「かなり早い段階から野党との協力、とりわけ維新の党とは選挙区の調整を行ったことで、結果的に勝てることができた」と述べたほか、記者会見では「引き続き野党第一党として、安倍さんの構想に対して、ブレーキ役、歯止め役をかけていきたい」として、議席数を伸ばしたことを強調した。
しかし、自身が議席を失ったことについては15日に記者会見を行い、代表を辞任することを表明する考えを明らかにした。NHKが報じた。
維新の党は選挙前の42から41と、議席を1減らした。擁立した77の小選挙区候補者のうち、当選は11人にと留まった。支持が広がらなかったことについて江田憲司・共同代表はNHKのインタビューに応え、野党のまとまりが欠けたことをあげ「国民は自民党に変わる選択肢とは認知してくれない」と述べた。さらに、理念が一致する政策面では共闘するなどが必要だとの考えを示し、「政権交代を目指して、国民の信頼を得る政党をつくっていかなければ、自民党に対抗できない」と語った。
橋下徹・共同代表は「選挙結果がすべて、負けは負け」と述べ、「完敗です」と語った。一方で、今回の衆院選が低投票率に終わったことを指摘。同様に低投票率だった3月の大阪市長選をマスコミが「意味が無い」と一斉に報じたとして、「今回の衆院選も意味が無い選挙だったと、マスコミも論じてほしい」と話した。
共産党は選挙前の8議席から13増やし、21議席と2倍以上に増やした。沖縄1区の赤嶺政賢氏が当選して、小選挙区で18年ぶりに議席を獲得したほか、比例でも四国以外のブロックで議席を獲得。前回の衆院選に比べ、近畿ブロックで2から4と倍増させたほか、南関東ブロックと東京ブロックで1から3と、議席を2ずつ増やした。
志位和夫委員長は記者会見で、「安倍首相は『この道しかない』とを断定的に言ったが、『この道は危ない』という気持ちが国民のなかに広がった。安倍政権の暴走と正面から対決するという姿勢を貫いたことが評価をいただけた」と述べた。
衆院選が公示され、第一声を上げる生活の党の小沢一郎代表=12月2日午後、新潟県魚沼市
その他、無所属で栃木3区から出馬した元みんなの党代表の渡辺喜美氏は落選。「これまでにないほど真剣に情熱をこめて応援していただきました。本当に皆様のご期待に応えられず申し訳ありませんでした」と述べ、深々と頭を下げた。
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