カメラがあってもなくても、貧しい人への施しを忘れない。これがウルグアイの「世界一貧しい大統領」、ホセ・ムヒカ氏の生き方だ。Time誌によると、慈善事業に大きな貢献を果たし、必要最低限の暮らしを実践するムヒカ大統領は、首都モンテビデオにあるテレビ局で生放送のインタビュー中、100ウルグアイペソ札(約4ドル、480円)を困窮しているホームレスの男性に手渡した。
男性がお金を求めたところ、貨幣を持っていなかったので彼に紙幣を代わりに与えた、と大統領は話した。大統領に恵んでもらった男性は「永遠に大統領でいてほしい!」と大声で叫んだ。
ムヒカ大統領は進歩的な政策とユニークな政治手法で世界的に知られている。 BBCが2012年に報じたように、大統領は平均的なウルグアイ人と同等の水準の自由に使える所得だけ残し、月給の90パーセントを慈善事業に寄付している。10月、彼は金が好きだという人々は「政治的に危険な存在」だと述べ、政府に富裕者層を介入させないと言明した。
2014年7月9日、モンテビデオ郊外のムヒカ大統領の自宅で (Photo: DANIEL CASELLI/AFP/Getty Images)
ニュースサイト「.Mic」によると、ムヒカ大統領は就任期間中を通じ、気候変動対策や同性婚の承認に尽力し、経済的不平等と闘い、マリファナを合法化させた。
ムヒカ大統領は「私は『最も貧しい大統領』と呼ばれていますが、貧しいとは感じません」と、BBCに述べている。「貧しい人たちとは、優雅な暮らしをし続けるためだけに働き、常により多くを望む人たちのことです」。
ニューヨークタイムズによると、12月1日、ムヒカ大統領の任期満了に伴う大統領選挙の決選投票が行われ、与党の左派・拡大戦線のタバレ・バスケス前大統領が中道右派国民党の党首ルイス・ラカレ・ポウ下院議員を破り、当選した。バスケス氏とは進歩的な政策で共通するムヒカ大統領は、高い支持率のまま辞任することになりそうだ。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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