12月14日に投開票される衆院議員選挙は、これまで「低投票率になれば、有力な支持団体を持つ自民党が有利になる」という見方が根強かった。しかし、そうした定説を覆す衝撃の調査結果を「Yahoo! JAPAN」が発表した。投票率が50%台前半の場合と60%前後になる場合の予想議席を比較して、自民党が議席を伸ばす一方で、民主党が議席を減らすという結果になった。
今回、Yahoo!が行ったのは「Yahoo!検索」での検索ワードの増減や、TwitterやFacebookなどのソーシャルネットワークでの投稿数といったネット上の膨大なデータ「ビッグデータ」を集計するという手法だ。2013年7月21日の参院選の際には92%という高い的中率だったという。
■2014年12月・衆院選の議席予測(小選挙区)
(Yahoo!JAPAN提供。編注:自党とあるのは自民党のこと)
■2014年12月・衆院選の議席予測(比例区)
(Yahoo!JAPAN提供)
小選挙区では投票率が高くなると北海道や北陸・信越、東海などでは民主党が議席を減らし、逆に自民党が議席を伸ばすという予測が出ている。比例区では投票率で大きな差は出ず、与党の自民党は選挙前に比べて微減、公明党は大幅に増加、野党では民主党が増加、共産党が大幅に増加する一方、維新の党は大きく議席を減らすという内容だったという。
この結果、Yahoo!JAPANが導き出したのは、以下のような数字だ。
<投票率50%台前半>
自民300、公明48、民主69、共産23、維新20、他15
<投票率60%前後>
自民311、公明47、民主61、共産25、維新14、他17
すなわち投票率が50%台前半の場合と60%前後の場合を比較すると、後者の方が議席を増す党は、自民(+11議席)、共産(+2議席)の2党。減らす党は、民主(−8議席)、維新(−6議席)、公明(−1議席)の3党となった。
■2014年12月・衆院選の議席予測(比例区+小選挙区計)
(Yahoo!JAPAN提供)
■浮動票は自民か共産へ
今回のYahoo!の調査結果は、積極的に支持する党がない「無党派層」が仮に投票所に行っても、彼らが投票するのは自民党か共産党であるため、それ以外の党は不利になるということを示したと言えそうだ。
元「みんなの党」の参院議員、松田公太氏は「浮動票が第三極には流れない構図を表している」と指摘。哲学者の東浩紀氏も「政治に関心を持つ人が増えれば、逆に与党が有利になる」という趣旨のことを述べている。
【追記】Yahoo! JAPANが、今回計測した手法は投影モデルといい「公示日後から特定期間までの検索量の変化を増加率としてスコア化して、今回のデータ集計期間の検索数から得票数を推定」したと同社では解説している。この投影モデルでの推定結果が前回の参院選では、92%という高い的中率を得ている。(2014/12/08 11:11)
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