イギリスのジョージ・オズボーン財務相は12月3日、いわゆる「Google税」を国際企業に課す、新しい制度を創設するとの方針を明らかにした。国境を越えてネット・ビジネスなどを展開している企業に対して、イギリスでも納税させることが目的で、GoogleだけでなくAppleやAmazon、Facebook、スターバックスなどが対象になるという。BBCなどが報じた。
GoogleやAppleなどのグローバル企業は、国境を超えてサービスを展開しているが、拠点をアイルランドなど税金の安い別の国に置いたり、海外企業へロイヤリティーを支払い利益を消滅させるなどして、イギリスでは税金を収めなくてもすむような節税対策を行ってきた。
日本でも2012年には、日本における外国企業とのインターネットでの取引において、247億円の税収が失われたことが調査で分かっており、なかでもGoogleがインターネット広告で得た2669億円以上の売上に対する、133億円あまりの税収推定額が最も大きかったという。
イギリスで新設される税制は、正しくは「Diverted Profit Tax(迂回された利益に課税するの意味)」と呼ばれ、企業が不適切に低税率国に資本を移転したと政府が判断した場合に、税金を課すとされる。2015年4月1日に施行予定だが、徴税の仕組みなどはまだ明らかにされていない。
オズボーン財務相はこの日国会で、「今日、私は、ここイギリスで商取引を行う多国籍企業に対し、利益に対して25%の税金を課することを提案したい。この新税は、今後5年間で約10億ポンド(約1871億円)の増収をもたらすだろう」と述べた。
しかしGoogle税創設の案について、専門家からは国際的な租税条約に抵触する可能性があるとの指摘や、税率の引き下げが2014年の経済成長に貢献した要因だったことを保守党は忘れているとの批判も出ている。
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