香港で行政長官選挙制度の民主化を求めて、中心部の道路占拠を呼びかけていた市民グループ「オキュパイ・セントラル(中環を占拠せよ)」の発起人3人が12月2日、「降伏」して警察に出頭すると発表した。香港大学法学部准教授のベニー・タイ氏ら3人はこの日、団体のFacebookページに英語版の書簡も公開。今も抗議を続ける参加者たちに撤収を呼びかけた。
香港では11月30日、デモ隊が数千人規模の集会を実施して、官庁街の金鐘(アドミナルティ)にある政府本部を包囲。これを阻止しようとした警官隊と衝突し、多数のけが人と逮捕者が出た。学生団体らは、抗議活動は非暴力で行うとしていたが、実際の参加者の中にはヘルメットやゴーグル、盾などを持参し、自ら警官隊と衝突する者もいた。
デモ隊らが過激な活動に出た背景には、抗議活動の行き詰まりがある。占拠は9月末から2カ月以上続いているが、香港政府は妥協をみせず、成果を得られない苦しい状況が続いている。
タイ氏らは書簡で、占拠活動の取り締まりに対する当局の暴力が益々エスカレートしていることを指摘。占拠の参加者の安全の確保と、愛と平和という本来の考えによって、雨傘革命のやり方を変えるとした。さらに、占拠を続ける学生団体に対しても、「過去2カ月にわたって、学生らは休みなく活動してきた。我々は(休むことによって)彼らが回復し、さらに民主化運動を継続させる強さを再構築することを願っている」と述べている。
しかし、デモの主導権は学生団体に移っており、タイ氏らの影響力は限定的とみられる。学生団体の1つのリーダー、ジョシュア・ウォンさん(18)は12月1日、18歳の大学生と17歳の高校生の2人の女性のデモ参加者と共に、無制限のハンガーストライキを開始。政府側が要求に応じざるを得ない状況にすることが狙いとされる。
ウォンさんらは団体のFacebookに「絶食宣言」を掲載。「私は夢を笑われることを恐れてはいない。夢が敗れることのほうが恐ろしいし、もっと怖いのは夢を失うことだ。このような困難の時代に生まれた以上、責任がある。私たちは生き抜き、そして降伏しない。私たちは喜んで犠牲を払い、責任を負う。決して降伏はしない。私たちの未来は、自分たちで掴みとる」と述べた。
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