緑色は地球幸福度指数(Happy Planet Index:HPI)が高い国。赤色はHPIが低い国。
冒頭の世界地図は、イギリスの民間シンクタンク「New Economics Foundation」が報告した各国別の地球幸福度指数(Happy Planet Index:HPI)。「持続可能な幸福度」を世界規模で測定したものだ。
151の国と地域を対象にして2012年に行われたこの調査結果によると、「世界で最も幸せに暮らせる場所」はコスタリカのようだ。2位はベトナムで、3位はコロンビアとなっている。
この調査では幸福度を、「われわれにとって大切なこと」(主観的な満足度や平均寿命)と、「地球にとって大切なこと」(リソース消費率)という観点から測定しており、国の経済に比例しているわけではない。結局のところ、「幸せは金で買えない」ということがわかる。
HPIを算出するため、調査チームは、「幸福度の値」と「平均寿命」を掛け合わせてから、この数値を、「その国のエコロジカル・フットプリント」で割った。具体的には以下のようなデータだ。
- 主観的な幸福度:ギャラップ世界世論調査で使われている主観的な幸福感の測定尺度「Ladder of Life」(人生のハシゴ:「キャントリルのハシゴ」とも呼ばれる)を使って評価した。「考え得る最悪の人生」をゼロ、「最高の人生」を10としたハシゴを想像してもらい、現在、自分が立っていると思う位置を報告してもらうものだ。
- 平均寿命:国際連合開発計画(UNDP)が毎年発行している「人間開発報告書」の2011年版を使用した。
- エコロジカル・フットプリント:リソース消費量を測定する指標として、世界自然保護基金が使っているエコロジカル・フットプリントを使用した。これは、「その国の消費パターンを維持するために必要な土地」の1人あたり面積のことで、「グローバルヘクタール(gha)」で表す。グローバルヘクタールとは、「平均的な生物学的生産力をもつ土地1ヘクタール」を表す単位だ。
イギリスは41位にとどまった。ただし、ドイツやフランス、スペインを上回っている。一方不名誉なことにアメリカは105位だった。日本は45位で、主観的幸福度が6.1、平均寿命が83.4歳、エコロジカル・フットプリントが4.2だった。なお、リンク先には双方向マップがあり、アメリカではエコロジカル・フットプリントが非常に高いために総合HPIが低くなっていることや、主観的幸福度(experienced well-being)は南北アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどで高く、日本は中レベルであることなどがわかる。
世界開発運動(World Development Movement) のディレクター、デボラ・デュアンは次のように語っている。「地球幸福度指数は、世界で何が起こっているかを理解する時に、一番に考慮されるべき指数でしょう。地球幸福度指数は、GDPでは測ることができないもの、たとえば地域の環境状態や、住民の健康・幸福の状態を明らかにします。地球幸福度指数は、経済発展に対して厳しい批判をするというアプローチを超えて、人間にとって本当に大事ものはなにかという問題や、政府が何を優先しなければいけないかといった重要な問題の核心に踏み込むのです」
また、ケンブリッジ大学の幸福・福祉機関のフェリシア・ユペール教授はこう述べる。「発展を測るための正しい基準は経済ではなく幸福だ、という最近の捉え方はとても心強い兆しだと思います。“持続可能な幸福”を手にするということは、今と将来の両方の世代が幸福であるために、地球の有限な資源をどのように使うかということを私たちが考えなければいけないということです。地球幸福度指数から分かる結果は、どうやったら豊かな暮らしを公平で持続可能な方法で、最もいい状態にできるかを、私たちに創造的に考えるよう求めているのです」
地球幸福度指数上位10位の国は、下記の通り。
1. コスタリカ
2. ベトナム
3. コロンビア
4. ベリーズ
5. エルサルバドル
6. ジャマイカ
7. パナマ
8. ニカラグア
9. ベネズエラ
10. グアテマラ
この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。。
[日本語版:湯本牧子、合原弘子/ガリレオ]
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