安倍首相は、消費税増税を見送った場合、年内に衆議院を解散するとした一部報道について11月9日、「全く考えていない」と否定した。また、石破地方創生担当相や、甘利経済再生担当相も解散について触れている。NHKニュースが報じた。
石破地方創生担当大臣は、鹿児島市で講演し、「来月で衆議院議員の任期4年のうち半分が過ぎる。これは、いつ解散があってもおかしくないということだ。解散は総理大臣の専権事項であり、総理大臣が『解散しよう』という判断をしたときに、『準備が整っていません』とか、『今の時期にやると負けてしまいます』などと言って、判断を間違えさせるようなことがあってはならない」と述べました。
また、甘利経済再生担当大臣は、訪問先の中国・北京で、記者団が「安倍総理大臣は、消費税率の引き上げを先送りする場合、衆議院を解散して国民の信を問う方針を固めたという一部報道もあるが、その可能性はあるか」と質問したのに対し、「聞いていない。そういう話は初耳だ」と述べました。
(衆議院の解散巡って発言相次ぐ NHKニュース 2014/11/10)
背景にあるのは消費税の問題だ。政府は2014年4月に8%、2015年10月に10%と段階的に消費税を上げ、膨らむ社会保障費や財政建て直しに充てる予定だった。しかし、8%に上げた直後の4〜6月期のGDPは年率7.1%減と、リーマンショック後(年率15.0%減 2009年1〜3月期)以来のマイナス幅となり、景気への影響が懸念されている。
ロイターによれば、アメリカのノーベル賞経済学者、ポール・クルーグマン氏は6日、安倍首相に、景気を優先し延期するよう説いたという。
同席者らによると、クルーグマン教授は米欧の経済情勢などについて見解を述べ、黒田東彦総裁による日銀の金融政策運営を支持すると語った。
また、日本については、デフレ脱却前の増税の危険性を明言した。首相は自分の意見をコメントせず、興味深く聞いていたという。
(クルーグマン教授が安倍首相と会談、消費増税反対を表明 | Reuters 2014/11/6)
一方で、消費増税は国際公約で、果たせなければ日本市場が信頼を失う、との意見も根強い。国際通貨基金(IMF)や日本商工会議所、連合なども予定通りの引き上げを支持している。また、朝日新聞が8日から9日に行った世論調査では、71%が「引き上げられる状況にない」と答えているという。
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