みずほ銀行と日本IBMは11月6日、人工知能コンピューター「Watson(ワトソン)」を利用して、顧客からのコールセンターなどへの問い合わせにタイムリーに回答する世界初のシステムを導入すると発表した。
導入されるのは、問い合わせをしてきた利用者とオペレーターとの会話をシステムが聞き取り、Watsonが適切な回答を見つけるというもの。みずほ銀行の担当者はハフポスト日本版の取材に対し「オペレーター人員が必要無くなるわけではないが、1回の対応時間が平均30分から8分に大幅に短縮できる」と述べた。来年からの導入を検討しているという。
新システムの肝となるのは、音声認識の技術だ。利用者がオペレーターに「パスワードが分からない」などと話すと、システムが自動的に音声を文字データなどに変換する。
これまでは、利用者の話をオペレーターがキーボードなどで入力し、膨大な回答例データの中から手作業で検索を行っていたため、データを打ち込む時間はもちろん、どの回答が適切かを選択することにも時間がかかっていた。
しかし、新システムではリアルタイムに会話をデータ化し回答例を検索。さらに、過去の問い合わせの内容などから、最適な回答の案を優先的に表示させる機能も盛り込み、時間短縮をはかる。
みずほ銀行の担当者は、問い合わせの受け答え音声データを文字データなどに変換して蓄積させることで、サービスの質の向上や、新サービスの企画立案などにも役立てられると述べた。
なお、三井住友銀行も5日、コールセンターの対応にWatsonを利用すると発表しているが、音声認識の技術は使わず、オペレータが回答例データを検索するシステムに導入するという。
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