イギリスのウェールズ北部にある小さな村「ランヴァイル・プルグウィンギル・ゴゲリフウィルンドロブル・ランティシリオゴゴゴホ」(Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch)をご存知だろうか。この名前は58文字(ウェールズ人が話すように、連続する2つのLを1文字とみなせば53文字)もあり、当然ながらとても読みにくい。
村の名前としては世界最長とされるこの名前は、ウェールズ語で、「激しい渦巻きと赤い洞窟の聖ティシリオ教会の近くにある、白いハシバミの泉のほとりにある聖マリア教会」という意味だという。なお、世界最長の都市名はバンコクの正式名称(タイ文字で112文字)だとされる。
この村名は、実はそれほど古いものではない。1880年代半ばに、旅行客の関心を惹きつける名前にしようという目論みで付けられたそうだ。このアイデアを思いついたのは地元の靴職人だったが、その読みは当たった。大勢の観光客たちが、この村に集まってきたのだ。
たいていは、ランヴァイル・プルグウィンギル、ランヴァイルプル、ランヴァイルPGといった略称で呼ばれるこの村の正式名をどう発音するか、学ぶためのツールもたくさんある。たとえば、簡単な歌(以下の動画)は、初心者が基礎をマスターするのに最適だ。
基礎が身に付いたら、この村の名前をどれほど独創的に発音できるかを競うコンテストにも参加できる。
ランヴァイルPG村を訪れた人に特に人気があるのは、歴史ある駅の写真を撮ることだ。この駅には、長い村の名前が誇らしげに書かれた案内板があちこちにある。
この村は、ウェールズ北部にある、古い歴史を持つアングルシー島にあり、出歩くにはとても楽しい場所のようだ。
村のトレードマークとなっている駅だけでなく、ウェールズの伝統的な工芸品やおいしい焼き菓子をいろいろと楽しめる。また、ナポレオン1世をイギリス等が破った「ワーテルローの戦い」で片足を失った地元の英雄ヘンリー・パジェットの教会や記念碑もある。
ただ、この村を訪れることになっても、行き先を人に教えるのは難しいかもしれない。名前が長すぎて、正しく発音することはできなそうだからだ。
ランヴァイルPG村は、人口3000人程度で、そのうち76%がウェールズ語を話す。1536年にイングランドによって併合されて以後、ウェールズでは英語が公用語とされ、ウェールズ語が禁止された。しかし現在では、ウェールズ語は英語と並んで公用語とされ、道路標識や公文書も2言語で表記されている。なお、この村名は、「世界最長のドメイン名」にもなっている。
この記事は最初にハフポストUS版に掲載されたものです。
[日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ]
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー