世界的に知られた理論経済学者で、公害や地球環境問題にも積極的な発言を続けた東京大名誉教授の宇沢弘文(うざわ・ひろふみ)さんが9月18日午前4時49分、脳梗塞のため都内の自宅で死去した。86歳だった。鳥取県出身。時事ドットコムなどが伝えた。
1951年に東大理学部を卒業後、米シカゴ大教授、東大経済学部長などを歴任。ミクロ経済学で優れた数学的分析能力を発揮し、マクロ分野でも業績を上げた。
(時事ドットコム「宇沢弘文氏が死去=理論経済学、86歳」より 2014/09/26 10:56)
経済成長のメカニズムに関する理論を確立し、「宇沢モデル」として世界的に知られた。一時は、ノーベル経済学賞に最も近い日本人学者とも言われた。1983年に文化功労者、1997年に文化勲章を受賞した。
また、行動する経済学者として有名で、環境問題でも積極的に活動し、国民所得に比例した「炭素税」の導入を提案した。
地球環境問題の啓発に力を注いだほか、93年に設立された「成田空港問題円卓会議」のメンバーとして国と農民の調停役を引き受けた。2000年代前半には「脱ダム」政策を掲げた田中康夫・長野県知事(当時)の諮問委員会に参加。環境税や旧住宅金融専門会社(住専)問題、教育、医療制度のあり方でも積極的に発言した。
(朝日新聞デジタル「理論経済学者の宇沢弘文さん死去 環境問題でも積極発言」より 2014/09/26 10:35)
東日本大震災直後の2011年3月21日、脳梗塞で倒れ、その後、自宅などでリハビリを続けていた。
「近代経済学の再検討」「自動車の社会的費用」「地球温暖化の経済学」「経済動学の理論」など多数の著書がある。
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