イスラム過激派組織「イスラム国」のグループが、新たに動画を公開した。動画ではイギリス人を自称する男性がイスラム国の「真実を示し」、西洋のメディアがいかに大衆を操っているかを語っている。
戦慄的な動画では、男性は自分をジョン・キャントリーだと名乗っている。これまでイギリスの「サンデー・タイムズ」「サン」「サンデー・テレグラフ」などで記者をしており、2012年にシリアで失踪したが、その後シリアの反政府組織「自由シリア軍」によって解放された。キャントリー氏は2012年にアメリカのジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー記者とシリアに戻ったとされている。フォーリー氏は8月にイスラム国によって斬首された。その恐ろしい殺害の様子も録画され、動画で公表された。
キャントリー氏の動画はYouTubeに投稿された。これまでイスラム国が公表した捕虜の動画とは異なり、キャントリー氏は兵士たちの前でひざまずいていない。その代わり、彼は机の前に座っている。彼は自分のことを捕虜と言い、自分の命を救うために重大な事実を明らかにすることを誓っている。ジャーナリストは連続したいくつかの動画の中で語ったところによると、イスラム国がどのように機能しているのか、いかに欧米のメディアが真実を「ゆがめて操り」「大衆を奈落へと引き戻そう」としているかについて明らかにするのだという。
キャントリー氏は、自分の立場を人質であると述べている。
わたしはみなさんが考えていることがわかります。みなさんはこう考えているのです。お前は人質だからこんなことをしているだけなのだと。お前は頭に銃を向けられ、こうするように強制されているのだと。そうでしょう? ええ、その通りです。わたしは人質です。否定はしません。しかし、私がイギリス政府に見捨てられたと考えると、私の運命は今、イスラム国の手中にあります。何も失うものはありません。私は生きのびるかもしれないし、死ぬかもしれません。
動画の中でキャントリー氏は、アメリカや他の国がイスラム国にいかなる攻撃も仕掛けないよう警告している。そして、攻撃しても勝つことはないと言っている。
「アフガニスタンとイラクという、悲惨で世界中から非難を受けた2つの戦争の後に、どうしてイギリス政府は再び勝つ見込みのない戦争に関わろうとするのでしょうか」。
キャントリー氏は最後に難しいメッセージを視聴者に投げかけて終わる。
「避けられないように思われる一連の出来事を変えるために、まだ時間はあります」「しかしそれは、みなさん、つまり一般の方たちが今行動した場合だけです」。
下の動画で、キャントリー氏の発言全体を見ることができる。
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー