神戸市東灘区の保育園をめぐり、近隣に住む70代の男性が「子どもたちの声がうるさい」として、運営する岡山県津山市の社会福祉法人を相手取り、防音設備の設置や慰謝料100万円の支払いを求める裁判を神戸地裁に起こした。9月5日にあった第1回口頭弁論で、保育園側は請求棄却を求めた。毎日新聞などが報じた。
保育園は神戸市が認可し、2006年に開園。訴状によると、男性は保育園の北約10メートルに居住。「子供らの声や太鼓の音などは騒音で、神戸市が工場などを対象に定めた規制基準が保育園にも適用されるべきだ」と主張する。
更に、この地域の基準60デシベルを超える70デシベル以上の騒音が発生し、家族の会話やテレビ、ラジオを聴くのに支障が出ると訴えている。05年7月に開かれた近隣住民への説明会以降、男性は騒音対策を求めてきたが取られていないという。
(毎日新聞『騒音:「保育園の声うるさい」近所の男性が提訴 神戸』より 2014/09/05 22:17)
保育園側は毎日新聞の取材に対し、「窓やカーテンを極力閉めるなどの配慮をしている。高い防音壁で囲むのは子供や近隣の方にとって健全な姿とは思えない」と説明しているという。
保育園の建設をめぐっては、2013年にはさいたま市で保育園の建設計画が住民の反対を受けて撤回されるなど、騒音を理由に建設が難航するケースが相次いでいるという。
朝日新聞デジタルによると、横浜市在任中に保育所整備に携わった前田正子・甲南大教授は、保育園の騒音トラブルについて次のように指摘しているという。
横浜市副市長在任中に保育所整備に関わった前田正子・甲南大教授(社会保障論)は「騒音トラブルは保育園建設時には必ず起こる問題。小学校や公園なども含め、今は迷惑施設と受け止められている」と指摘。「保育園は必要な防音対策をとらなければならないし、住民も自らの生活の快適さを最優先させすぎないこと。子どもがのびのび育つ地域こそが住みやすい地域のはずで、『お互い様』の意識が必要だ」と話す。
(朝日新聞デジタル「保育園児の声は騒音? 近隣住民の1人が提訴 神戸」より 2014/09/06 00:10)
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