静岡県の川勝平太知事は9月4日、今年度の全国学力テストで小6国語Aの結果が平均以上だった公立小学校262校の校長名と、小6国語・算数の県内35市町の平均正答率を公表した。川勝知事は実施要領に違反して独断で公表に踏み切った。朝日新聞デジタルなどが報じた。
静岡県は昨年度、小6国語Aの結果が都道府県別で最下位。川勝知事は昨年度、独断で全国平均を上回った86小学校の校長名を公表した。今年度も公表に踏み切ったことについて、知事は報道陣に「確信犯的にやった。昨年度の公表が今年度の結果向上につながった」と主張。「文部科学省は都道府県別の順位を公表しているのに、県が市町別を公表できないのは矛盾ではないか」と語った。
(朝日新聞デジタル「静岡・川勝知事、学力調査上位校長名などを独断で公表」より 2014/09/04 22:40)
2014年度から各市町村の教育委員会の同意があれば都道府県教委が学校別や市町村別で成績を公表する事ができるようになったが、川勝知事は市町教委の同意を得ないまま公表した。
静岡県教育委員会の安倍徹教育長は「知事の県民のためにという思いは分かるが、その思いを実現するにはもっと別の方法もあると思う」と述べるなど、批判の声が上がっているという。
静岡県教育委員会の安倍徹教育長は「結果の公表については実施要領に基づいて知事にも配慮いただくということだったので、非常に残念な結果だ。各市町の教育委員会が結果をふまえて、どう対応したらいいか検討しているさなかに数字だけ公表されてしまった。知事の県民のためにという思いは分かるが、その思いを実現するにはもっと別の方法もあると思う」と知事の対応を批判しました。(中略)
文部科学省初等中等教育局の塩崎正晴参事官は「今回から教育委員会が学校ごとの結果を公表できることになったが、知事の判断で公表することは認めておらず、明らかなルール違反だ。静岡県に経緯を確認したい」と話しています。
(NHKニュース「静岡県知事 全国学力テストで校長名を公表」より 2014/09/04 19:54)
■文科相、実施要領を違反した自治体に対して措置を検討
川勝知事が実施要領に違反して公表したことを受け、下村博文文部科学相は5日の記者会見で、「知事が権限を逸脱して一方的に公表することはルール違反。極めて遺憾だ」などとして、テストの実施要領に違反した自治体には翌年度のテスト結果を提供しないなどの措置を検討することを明らかにした。
下村文科相は「黙認すれば実施要領の否定にもなる」と指摘。抑止策として「翌年度の調査結果データの一部を提供しないことなども考えられる」と述べた。
(時事ドットコム『校長名公表「極めて遺憾」=提供データ制限も-下村文科相』より 2014/09/05 11:40)
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