千葉県警は8月20日、預かっている女児の口に食べ物を無理やり押し込むなどの虐待行為をしたとして、千葉市の認定保育施設「わんぱくキッズ」の保育士、松丸知美容疑者(31)を強要の疑いで逮捕した。おとなしくしないと暗い部屋に閉じ込めたりするなどの行為も行っていたという。MSN産経ニュースが報じた。
逮捕容疑は7月14日、勤務先の同区にある市の認定保育施設「わんぱくキッズ」で女児(2)が夕食を拒絶したことに立腹し、頭を平手でたたき「食べろって言ってんだよ」などと脅しながら、スプーンで女児の口の中に無理やり総菜を詰め込んだ疑い。
同署によると、容疑を認め、「食べさせなければいけない気持ちが強くてやった。平手打ちしたかは覚えていない」と供述している。
(MSN産経ニュース『「食べろって言ってんだよ」 2歳児の口に夕食押し込む 女性保育士を逮捕 千葉の施設』より 2014/08/20 13:50)
しかし、保育施設の女性施設長は虐待行為に気づいていながら、「保育士が不足しているので、辞められると困ると思った」として、松丸保育士を強く注意しなかった。この理由について、保育業界が抱える慢性的な人手不足などが理由だと千葉日報ウェブは分析している。
同施設は、近隣施設との競争激化による児童数減少にも悩まされていた。月平均の入所児童数は2011年度に14・4人だったが、本年度(4~7月)は6人と、定員(27人)の約2割にまで急減。本年度になって、近隣に認可保育所が3施設開所した影響だった。こうした中、保育士が減れば利用者にさらに敬遠されるとの懸念があったとみられる。
(千葉日報ウェブ「<保育士逮捕>退職恐れ虐待注意できず 背景に人手不足」より 2014/08/21 12:33)
保育士不足は現状でも深刻な状態が続いており、厚生労働省は2017年度末には保育士が全国で約7万4000人不足すると試算する。政府は「子育て支援員」などの資格をつくり、子育て経験者を保育の担い手として確保したいとしている。
ところが、厚労省の調査では、保育士不足の原因として「待遇」などが挙げられており、新資格で「さらに待遇が悪くなるのではないか」との意見も出ている。
政府の子育て支援で保育所の新設・拡充が広がるのに伴い、首都圏では保育士の獲得競争が激化している。保育士が足りないと保育園を開園できないこともあるためだ。
現役の保育士の引き抜きも激しくなっており、保育事業者は競争が激しい首都圏を避けて東北に採用の場を求めたり、現在は仕事をやめている保育士の掘り起こしを行ったりしなければならないなど、保育事業者の負担も増大している。
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