内閣府が8月13日に発表した2014年4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質GDPが前期(1〜3月期)に比べて1.7%減となった。マイナス成長は2四半期ぶり。このペースが1年間続くと仮定した年率換算では6.8%減となり、東日本大震災の影響でマイナス6.9%となった2011年1〜3月期以来の落ち込みとなった。
4月の消費税率引き上げによる駆け込み需要からの反動減が、大きく出た。前回増税時の1997年4〜6月期(年率3.5%減)より大きかった。
今回の速報値を受け、MSN産経ニュースは次のように分析した。
個別の項目では、GDPの約6割を占める個人消費が前期比5・0%減と7四半期ぶりのマイナス。反動減は自動車や家電といった耐久財に加え、衣料や飲料などの日用品にもみられた。住宅投資も10・3%減と大きく落ち込んだ。
設備投資も2・5%減と5四半期ぶりの減少。マイクロソフト(MS)の基本ソフト(OS)「ウインドウズXP」が4月にサポートを終了したため、その前にOSを更新したことの反動減も響いた。公共投資も0・5%減と2四半期連続の減少となった。
(MSN産経ニュース「実質GDP、4~6月期は年率6・8%減 消費増税の影響で」より 2014/08/13 09:06)
ブルームバーグによる事前調査の予想中央値は年率換算で7.0%減、前期比1.8%減だった。ロイター調査も年率7.1%減としており、実績は予想をやや上回った形だ。甘利明再生相は「景気は緩やかな回復基調が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある」との談話を発表した。
なお、今回のDPに関するニュースは世界のメディアも報じている。
ウォール・ストリート・ジャーナルは「個人消費の予想以上の低下と在庫の急激な増加は、日本の景気回復に対する懸念を拡大させていると、エコノミストは語る」と伝えた。
CNNは「日本の経済成長、消費税ショックで崩壊」という見出しの記事で、日本の状況を「2014年のはじめ、人々はショッピングでGDPに貢献した。しかし、この“シュガー・ラッシュ”(興奮状態)が終わった今、エコノミストたちは現実に引き戻された」と表現した。
また、ロイターは1997年の消費増税後の景気悪化が、当時の首相・橋本龍太郎氏の政治家としてのキャリアを止めたと警告する。
「ところが、多くの関係者やエコノミストは、当時の景気悪化はもっぱらアジア金融危機によって引き起こされたものだとして、前回の増税時と(今とは)は単純に比較できないと述べている」
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