拉致問題を解決するために安倍晋三首相の北朝鮮を訪問することへの懸念を、アメリカのケリー国務長官が日本側に伝えていたことが判明した。7月7日に岸田文雄外相と電話会談した際に「日米韓の連携が乱れかねない」と自制を求めたという。
核・ミサイル問題での日米韓の3カ国での連携を重視するオバマ政権が、拉致問題の解決を急ぐ日本と北朝鮮が接近することを警戒していることが鮮明となった。毎日新聞などが報じた。
ケリー氏と岸田氏との電話協議は7日深夜から約40分間行われた。関係者によると、ケリー氏は岸田氏に対し「日米は同盟国だ。北朝鮮との交渉については透明性をもって、事前にきちんと相談してほしい」と要求。
その上で「首相が訪朝することを検討する場合についても、事前通告ではなく、きちんと相談してほしい」と求めた。
(毎日新聞「拉致問題:米、安倍首相の訪朝けん制 事前の相談要求」より 2014/07/16 07:15 )
安倍首相は7月3日、北朝鮮への独自制裁を一部解除すると発表している。2日までの日朝協議で、北朝鮮から、日本人拉致被害者などを再調査する特別調査委員会の構成について提示され、実効性のある「かつてない態勢ができた」と判断したという。
今回の日朝協議で10年近く停滞していた拉致問題が話し合われたことで、「安倍首相が北朝鮮を訪問するのではないか」との観測も流れている。岸田外相も3日の参院外交防衛委員会で、安倍首相の訪朝の可能性を示唆していた。
岸田文雄外相は3日の参院外交防衛委員会で、日朝協議で合意した北朝鮮による拉致問題の再調査について、「成果を上げるために最も効果的な方法が何であるかを絶えず考えなければならない。その中で(安倍晋三首相の)訪朝についても考えていく」と述べた。拉致問題の解決や進展につながると判断すれば、首相の訪朝もありうるとの認識を示したものだ。
(朝日新聞デジタル『岸田外相、首相訪朝に言及 「拉致解決につながれば」』より 2014/06/03 23:30)
岸田外相はケリー国務長官に対し、「マスコミが答弁内容を解釈して報じただけで、首相訪朝は一切検討していない」と釈明したという。
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