滋賀県知事選は7月13日、投開票され、新顔の前衆議院議員、三日月大造氏(43)が、元経済産業省職員の小鑓隆史氏(47)=自民、公明推薦=、共産党県常任委員の坪田五久男氏(55)=共産推薦=を破って、初当選した。
滋賀県は隣県・福井県の原発の30km圏内に県域の多くが含まれる。段階的に原発をなくす「卒原発」を掲げた候補が、嘉田由紀子氏に続いて支持を得たことで、再稼働を推進する政府・自民党の原発政策の行方に影響を与えるのか。集団的自衛権の憲法解釈見直しなど安倍政権を正面から批判した元民主党衆院議員の三日月氏が当選したことで、安倍首相の政権運営や野党再編に何らかの影響を及ぼすのかも注目される。
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滋賀県知事選は、2期8年務めた嘉田由紀子氏が引退を表明。三日月氏は嘉田氏と政策協定を結び、後継指名を受けて、嘉田氏の看板政策だった「卒原発」を引き継ぐことを表明。民主党を離党して無所属で立候補した。
選挙戦中盤からは、集団的自衛権を使えるように閣議決定した安倍政権への批判を強め、「中央の暴走を県政に持ち込ませない」と強調。政党の推薦を受けず、前回の知事選で過去最多の約42万票を集めた嘉田知事と二人三脚で回った。
内閣参事官として安倍政権の成長戦略の立案に携わった小鑓氏は、原発政策の争点化を避けて国とのパイプをアピール。「滋賀経済に活力を取り戻す」と地域経済の活性化を中心に訴えた。自民党は石破茂幹事長ら幹部をはじめ、延べ200人近い国会議員を送り込んだが、及ばなかった。
(朝日新聞デジタル『滋賀県知事選、三日月氏の当選確実 「卒原発」引き継ぐ』より 2014/07/13 21:54)
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