楽天はマレーシアの格安航空会社(LCC)・エアアジアと組み、航空事業に参入することが、6月26日わかった。2015年中の就航を目指すとされる。7月1日に楽天の三木谷浩史社長とエアアジアのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)が東京都内で記者会見し、表明する予定。朝日新聞デジタルなどが報じた。
エアアジアはすでに新会社「エアー・イノベーション」を東京都港区に設立。代表取締役に全日空との合弁会社で社長だった小田切義憲氏が就いた。事業開始に向け、エアアジアと楽天が最大3分の1ずつ出資する方向で調整している。
エアアジアは、機内サービスを省いたり、有料にしたりするかわりに低運賃を売りにする戦略だ。今回は楽天の子会社「楽天トラベル」のシステムをチケット販売に活用したり、使用料が比較的安い地方空港を拠点に使ったりして、国内のLCCをさらに下回る料金を目指すとみられる。
(朝日新聞デジタル「楽天、航空事業参入へ エアアジアと合弁 中部空港拠点」より 2014/06/26 12:35)
エアアジアは2012年8月に、ANAホールディングスと合弁で「エアアジア・ジャパン」を立ち上げ国内線の運航を始めたが、業績低迷により2013年に合弁を解消していた。
しかし、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催などが決まり、日本の空の需要は拡大が見込まれるとして、エアアジアは日本再参入を検討しており、2014年4月に東京で開かれた新経済連盟主催の「新経済サミット」に出席したフェルナンデス氏は、合弁会社を設立して2015年をめどに日本市場へ再参入するとの考えを表明していた。
三木谷氏とフェルナンデス氏は、「ミッキー」「トニー」と呼び合う間柄だ。フェルナンデス氏は新経連サミットの公演でも「ミッキーのために今日はドレスアップしてきた」などと話し、笑いを誘っていた。
フェルナンデス氏はこのとき報道陣に対し、合弁企業について、「日本の航空市場に『革命』を起こせるパートナー」とコメント。航空市場に規制緩和をもたらすためにも「日本政府と交渉できる経営者が望ましい」と述べていたが、「楽天ではないか」との質問には「三木谷氏とは友人である方がいいのかも」などとかわしていた。
今回のエアアジアと楽天の提携について、シンガポールの専門家は、「エアアジアは、他の航空会社とうまくやっていくことが難しいと学んだはずだ。協業で機能するパートナーとそうでないパートナーの違いを、彼らは知っている。エアアジアのモデルを日本に持ちこむためのベストパートナーを、彼らは探している」と分析している。
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