ホンダが水素を燃料とする燃料電池車(FCV)を、日本で先行販売する方針を固めたことが6月24日、分かった。
FCVは、水素と空気中の酸素を化学反応させて発生する電気でモーターを回して走る車で、運転中は水のみを排出し二酸化炭素などを出さないことから、「究極のエコカー」とも言われている。急速充電器でも20−30分はかかる電気自動車(EV)に比べて、水素充填時間は約3分とガソリン車とほぼ同程度で、走行距離も500km以上と、EVの200kmより優れている。
ホンダが2015年に一般販売開始を目指しているFCVは、1回の燃料補給で走行距離800kmを誇るという。販売価格は2015年1月頃に先行発売される予定のトヨタのFCVの動向をみて判断されるが、700万〜800万円程度を見込んでいる。MSN産経ニュースが報じた。
当初は自動車市場の中心となる米国での先行発売を検討していたが、「日本発の最先端技術として売り出す」ことを狙い、日本国内で先行発売する方針を固めた。
一般的に1千万円超となる価格についても「採算より普及を優先する方針」(ホンダ幹部)として、割安にする考え。700万~800万円で販売した場合、電気自動車(EV)と同等の政府の補助金が出れば、消費者の負担は600万円台前半からとなる。
(MSN産経ニュース『ホンダ、燃料電池車を国内先行発売 価格700万~800万円「採算より普及」』より 2014/06/25 09:45)
■日本はFCVに優位性
FCVについては、安全性に関する世界統一基準で日本の提案が採用されたほか、燃料電池に関する特許出願件数は日本が世界一を誇るなど、日本勢の優位性が確保しやすいこともあり、政府は普及に力を入れたい考えだ。安倍首相は24日に発表した新しい成長戦略のなかでも、FCVを含む次世代自動車の新車販売に占める割合を、2030年までに5〜7割とすることを目指すと明記した。
そのため政府は、2025年ごろまでにFCVの販売価格をハイブリッド車と同じ水準に引き下げることや、水素ステーションの建設コストを引き下げて設置箇所を増やすこと、車両購入の補助金を出すなどの工程表も作成した。
FVCの一般販売について、ホンダ以外のメーカー各社は、トヨタが700万円程度の価格で今年度内に販売を開始する方針を固めているほか、日産も2017年に販売に乗り出す計画だとされている。
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