アメリカ航空宇宙局は、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した「これまでで最もカラフルな宇宙写真」を発表した。同時に、この写真はこれまで最も広範囲の宇宙をとらえた写真であり、これまでで最も壮観な写真でもある。
この写真は「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド」(HUDF)というプロジェクト。天空領域を撮影した、新たな画期的研究成果であるが、ただ単に美しい、というだけではない。
最新のハッブル宇宙望遠鏡からの画像に、およそ1万ほどの銀河が写っている。これはHUDFで紫外光分布を解析した結果である。星形成に関する我々の認識のギャップを埋める手助けにもなる。
これまでのHUDFのヴァージョンでは、近赤外光から可視光、それに遠紫外光 (UV) の波長を受光していたと、アラン・ボイルがNBCニュースのウェブサイトに記している。それに近紫外光は含まれていなかった。
紫外光が加われば、もっとはっきりと宇宙が見える。
それがこの素晴らしい画像だ! 2003年から2012年にかけて撮影された、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた841本の軌道の写真を近似的なカラーで編集して得られたこの新画像には、実に様々な大きさや形を持った、ざっと1万もの銀河が写っている。
「ありとあらゆる形状と大きさの銀河が見られる、と天文学者のフィル・プラットは「Slate」誌で述べた。多くは他の銀河との衝突で形がゆがみ、おのおのが大きな重力で引き合った結果、10の15乗kmの大きさにわたるキャンディー型の不思議な形状を作り上げた。青色銀河も数多く、活発に星が生み出されていることが分かるが、赤味のかなり強い銀河もあり、これらははるか遠くにあるため非常に長い時間をかけてその光が届いたのだろう。その真っ赤な銀河の数々がかなり小さな点にしか見えないことも、それらが非常に遠くにあることを示している。
天文学者エドウィン・ハッブルの名を戴いたこのハッブル宇宙望遠鏡はNASAと欧州宇宙機関の共同事業である。1990年に打ち上げられて以来、ため息の出るような素晴らしい成果を地球に送り続けている。
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