STAP細胞の論文をめぐり、主要著者の一人である理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・ユニットリーダーが、不正を認定された主論文の撤回に同意したことがわかった。理研広報室が6月4日、明らかにした。
小保方さんが、撤回に同意したとの書面を理研に送ったという。小保方さんは、補完的なもう1本の論文撤回には既に同意しており、イギリスの科学誌ネイチャーが2本の論文を撤回すれば、STAP細胞の研究成果は白紙に戻る。時事ドットコムなどが報じた。
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理研広報室によると、書面は3日、論文共著者の丹羽仁史プロジェクトリーダーに届いた。主論文をめぐって理研は当初、小保方氏が撤回に同意したと発表したが、小保方氏はその後否定。理研広報室の担当者は「書面によって撤回の同意が確定したと受け止めている」と話した。
もう1本の論文については既に撤回に同意している。論文が撤回されれば、「生物学の常識を覆す万能細胞」として登場したSTAP細胞は、白紙に戻ることになる。
(時事ドットコム「主論文も「撤回同意」=小保方氏が書面、STAP細胞-理研」より 2014/06/04 11:56)
2本の論文は1月30日付のネイチャーに掲載され、主要な論文でSTAP細胞の作製法や万能性を初めて発表した。理研の調査委員会は、主要な論文の画像に2カ所の不正を認定し、撤回を勧告していた。
ネイチャーの論文のもう一人の責任者であるアメリカ・ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授はこれまで撤回を反対していたが、NHKニュースは「関係者によりますと、バカンティ教授も取り下げについて同意する意向をほかの著者に示したという」と報じている。
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