ブラジル人たちは怒っている。開催期間がわずか8週間の贅沢なイベントに対し、何百万ドルもの資金を投入している政府に対する怒りだ。
彼らは、ワールドカップに充てられる資金は、それよりも非常に重要な、教育や公衆衛生、病院などの整備、あるいは、暴力や麻薬、武器などを街から根絶するための資金にすべきだと考えている。
現地の街では、こうした自分たちの声を伝えようとして、通りに落書きをする者も多い。グラフィティと呼ばれるこうしたストリートアートを通じて彼らが伝えようとしているメッセージとは、まとめれば、「F*** FIFA」(FIFAの糞ったれ)ということだろう。
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特にソーシャルメディア上で急速に広まっているのが、有名ストリートアーティストのパウロ・イトウ氏が、サンパウロにある学校の壁に描いたグラフィティだ。その絵には、ナイフとフォークを手に持った、餓死寸前のブラジル人の少年が、サッカーボールを載せた皿を出されて泣いている光景が描かれている(以下の画像集5番め)。
こうしたメッセージ性の強い落書きには、政治家の汚職や欲望、不正などに対する国民の不満が現れている。世界一のサッカー大国と言われるブラジルには、ワールドカップの開催を望んでいない国民も多い、ということを示すストリートアートの数々を、以下に紹介していこう。
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壁に書かれた文字の訳:「ワールドカップは我々から学校や病院を奪い、『ボール』だけを残していく」
[(English) 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]
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