理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが、発表したSTAP細胞に関する論文のうちの1本を撤回することが、5月28日わかった。不正が認定された論文とは別の論文で、11人の著者全員が撤回に同意したという。主要著者が科学誌・Natureに撤回を申し入れたという。NHKニュースなどが報じた。
関係者によりますと、この論文で責任著者となっていた理化学研究所の小保方リーダーと笹井芳樹副センター長、それに山梨大学の若山照彦教授の3人が取り下げに合意し、ネイチャーに対して取り下げの意向が伝えられたということです。
この論文を巡っては、複数の写真に事実と異なる点があるのではないかという新たな疑義が指摘されていましたが、理化学研究所は一部の著者が取り下げの意向を示していることを理由に調査は行わない方針を示していました。
(NHKニュース『STAP論文 1本取り下げの意向』より 2014/05/28 17:17)
小保方さんの論文撤回同意は初めてだが、撤回を申し入れたのはSTAP細胞の存在について示した主論文ではなく、STAP細胞の万能性を示した副論文の「letter(レター)」。また、あくまでも消極的に同意したものだという。
小保方氏の代理人の三木秀夫弁護士は28日、この論文について小保方氏を含む3人の責任著者の一人である若山照彦・山梨大教授が理研在籍時に主導したと主張。その上で「『若山教授が撤回を希望するなら反対しない』という消極的な同意。撤回理由も明確な説明を受けていない」と述べた。更に「大切なのはSTAP細胞の存在を報告した論文。(同意した論文は)『主・従』の従にすぎない」とした。
三木弁護士や理研関係者によると、撤回は若山教授が今月中旬に呼び掛け、小保方10+件氏は今週、もう一人の責任著者の笹井芳樹・理研発生・再生科学総合研究センター副センター長を通じ「反対はしません」と電子メールで回答し、著者全員の意向がまとまったという。
(毎日新聞「STAP細胞:論文1本撤回へ 小保方氏ら著者11人同意」より 2014/05/29 02:30)
なお、STAP細胞の存在について示した主論文の「article(アーティクル)」については、小保方さんらは撤回に応じていないという。
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