集団的自衛権の国会審議、来春以降に先送り 政府・自民
政府・自民党は19日、自衛隊が武力を使って他国を守る集団的自衛権に関する法案の国会審議を、来年春の統一地方選挙以降に先送りする方針を固めた。20日から与党協議を始めるにあたり、公明党に配慮を見せる狙いがあるが、公明党は集団的自衛権行使容認への反対を崩していない。
政府・自民党は、今年秋の臨時国会では、憲法解釈の変更を伴わず、公明党も法整備に一定の理解を示す「グレーゾーン事態」の法案の審議を先行させる方針だ。20日から始まる与党協議でも「グレーゾーン事態」の協議から入る。
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集団的自衛権に関する法案を先送りするのは、自公の選挙協力が必要な統一地方選でこの問題に焦点があたれば、公明党の協力が得にくくなるからだ。
しかし、安倍晋三首相は行使を認める憲法解釈の変更について、臨時国会前までに閣議決定を目指す考えは変えていない。首相は米国と年末までに「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)の再改定を約束している。首相はこのガイドラインを行使を前提に作りかえる考えで、閣議決定まで先送りすれば作業が間に合わなくなるからだ。
(朝日新聞社提供)