福島第一原発事故の緊急作業員、約2万人を生涯にわたり追跡調査へ

東京電力第一原発事故後の収束作業に携わった作業員の健康調査の在り方について議論している厚生労働省の有識者検討会は5月16日、福島第一原発の事故発生から2011年12月までの間に緊急作業にあたっていた、約2万人全員の健康状況を、死亡時まで追跡調査するとの報告書をまとめた。
時事通信社

東京電力第一原発事故後の収束作業に携わった作業員の健康調査について議論している厚生労働省の有識者検討会は5月16日、福島第一原発の事故発生から特例で被ばく限度を引き上げていた期間に緊急作業にあたっていた、約2万人全員の健康状況を、死亡時まで追跡調査するとの報告書をまとめた。47NEWSなどが報じた。

厚労省が今後、調査研究を進める機関を選定する。当時、20代だった作業員もいるため、調査は60年以上続く見通し。来年度から、約2千人を対象とした先行調査を本格化させる。

これまでも厚労省は、被ばく線量や健康診断の結果のデータベース化を進めており、今後の調査でも活用する方針。

(47NEWS「2万人、生涯にわたり調査 原発事故の緊急作業員」より 2014/05/16 23:06)

報告書では、国が定めた限度を超える被ばくをした作業員については、血液を採取して被ばく線量を詳しく分析する検査を新たに行う必要があるとしているという。

会議で座長を務めた放射線影響研究所の大久保利晃理事長は「今回の調査の成果は、世界的な知見となるだけでなく、健康不安を抱える福島県の住民にとっても重要な指針になる。国が責任を持って調査すべきだ」と話していました。

(NHKニュース「原発作業員の被ばく 生涯追跡調査を」より 2014/05/16 21:11)

朝日新聞デジタルによると、対象となるのは、被ばく限度が100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げられていた、2011年3月14日から12月16日の期間に福島第一原発で作業に従事した人たち。2万人のうち、174人の被ばく線量は、通常作業の基準(5年間100ミリシーベルト)を超えた。

調査は年1回で、通常の健康診断で調べる項目や血液、肝機能などのデータを集める。そのほか、3〜5年ごとに感染症や腎機能なども調べるという。

福島第一原発の事故当時、現場で作業をしていたハッピーさんもTwitterでコメントをしている。

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